「やりたいこと」をみつけるためにできることは?

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2017/05/06

出典:すくすく子育て[放送日]2017/05/06[再放送]2017/05/12

柴田さんは、遊びの中で子どもが成長する姿がよくわかる例が最近もあったといいます。それは「温泉ごっこ」という遊びです。

「温泉ごっこ」を始めたのは、なおきくんという6歳の男の子。友だちと一緒に遊べない時期がありましたが、企画するのが得意で、自分のやりたい「温泉ごっこ」を実現するために、他の子たちに働きかけました。そして、みんなもおもしろがってアイデアを一緒に膨らませていったそうです。

具体的には、プールにお湯をはって子どもたちが入ったり、足湯が用意されたりします。それだけではなく、温泉の制服を自分たちでつくったり、店員の募集をしたり。なおきくんの誘いにのった友達が、おみくじの催しを考えてくることも。

もっと仲間を増やしたいなおきくんは、園の集まりの時間でお店を募集しました。ウルトラマンショーをやりたくて仲間を集める子どもも出てきました。

そして、温泉ごっこの当日。先生が用意してくれたプールで温泉を楽しんでいます。

温泉にいくための電車をやっている子ども、そのための踏切をつくる子もいました。ウルトラマンショーも盛り上がっています。

そんな中、なおきくんは裏方としてもくもくと働いていました。なおきくんがやりたかったのは、温泉に入ることではなく店員さんになることだったようです。

いろんな子がいるから、いろんなアイデアが出る

柴田 愛子さん回答:柴田 愛子さん

いろんな子がいるから、いろんなアイデアが出てきます。アイデアをどう実現するか、違う子が考えたりもします。ひとりの種を、みんなで育てていくということです。

自分がいることの意味を実感する

大豆生田 啓友さん回答:大豆生田 啓友さん

みんなの中で、ひとりひとりが光る経験になっています。自分が貢献すること、自分がいることの意味を実感すること。これは、すごく大事なことだと思います。

 

温泉に入るだけではなく、裏方だったり怪獣ショーだったりいろいろなアイデアを思い付くんですね。

大人が思い付かないようなことを見てきて、実現していく

柴田 愛子さん回答:柴田 愛子さん

子どもは大人の知らないところで、よく見ています。家族でスーパー銭湯や温泉に行ったときに、店員さんの動きや、ショーの裏方を見てきたのかもしれませんね。
私たちが思い付かないようなことを見てきて、こういう形で実現しているわけです。

何かを生み出す力の原点は遊びの中に

大豆生田 啓友さん回答:大豆生田 啓友さん

これが創造力の育ちですね。自分が経験したこと、そのイメージを実現・再現する。クリエイティビティと言える、何かを生み出していく力です。
学問や科学に必要な、何もないところから何かを生み出していく力。その原点は、このような遊びの中にあるわけです。
ただのごっこ遊びのように見えて、大事な経験をしているのだと思います。

 

このような経験をさせてあげるために、親ができることは何でしょう?

余計なことは言わずに、一緒に喜ぶ

柴田 愛子さん回答:柴田 愛子さん

余計なことは言わないことです。

例えば「そこまでにしておこうね」「そんなことをしたら変だよ」というように、ストップをかけることがよくあると思います。そのような余計なことを、できるだけ言わずに、一緒に喜びましょう。
そうすると、子どものやりたいことがどんどん出てくると思います。

うまく行かないことを経験するから、その先に成長がある

大豆生田 啓友さん回答:大豆生田 啓友さん

なおきくんは、もともと「ああしたい、こうしたい」という発想がたくさんあったと思います。でも、なかなかうまく行かなかった。みんなよりも、発想が先に行き過ぎていたのかもしれません。
今回、まわりの子どもたちがそれをわかってくれたことがよかったですね。

園生活はうまく行くことばかりではありません。うまく行かないことを経験するから、それを乗り越えたとき成長すると思います。
なおきくんは、完全に乗り越えて成長したと思います。だからこそ、みんなが協力してくれたわけです。いろんなお店ができたり、ショーができたり。なおきくんはコーディネーターのようでしたね。

なおきくんが自分の思いを実現できたことも、他の子たちが一緒に協力して実現したことにも光が当たる場面がたくさんあったと思います。

生きることは自分が主役であるべき

柴田 愛子さん回答:柴田 愛子さん

保育園や幼稚園での集団生活は、ひとりひとりが集団の中でいろんな子の刺激を受けながら、自分の力を付けていく場だと思います。
自分の人生は自分のもの、人に代えることはできません。だから、自分を大事にしてほしい、その子にとってより有効な育ちであってほしいと願っています。

生きることは、自分が主役であるべきです。自分が主役として、いろいろなことに出会いながら、大きく育っていくのだと思います。

自己決定だからこそ乗り越えていける

大豆生田 啓友さん回答:大豆生田 啓友さん

自己決定だということが大切ですね。
自分のことを自分で決めることで、いろんな困難も乗り越えて行ける。そこから、自分の世界が広がっていくと思います。


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