講師:汐見 稔幸(白梅学園大学学長 教育学) 子育て中はいつも子どもと一緒。だけど、時々は子どもを預けることができたなら、助かりますよね。必要なときは、ママ・パパ、そして子どもも安心なところに子どもを預けてみましょう。 人類の歴史の中で、親が一人で子どもを育てる社会はこれまでありませんでした。親以外の人と接することで、子どもの社会性は育ちます。そのため、預けることで罪悪感を持ったり、子どもに悪いことをしていると思い込む必要はありません。子どもを預けると、親にも子どもにも良いことがたくさんありますよ。
一時保育とは、主に以下の4か所などで、一時的に子どもを預かって保育を行うことです。
・保育園
・幼稚園
・認定子ども園
・地域の子育て支援センター
昨年からは自治体で、地域のさまざまな子育て支援制度について教えてくれる専門員の配置が進められています。ママの悩みに応じた施設などを、専門員が紹介してくれますよ。
一時保育利用のポイント
(1)複数の施設に登録しておく
必要なときに確実に預けられるよう、いくつもの施設に登録しておきましょう。
3つや4つ登録しておけば、1つの施設に「今日は難しい」と断られても、少し遠い別の施設であれば預けられる、という可能性もあります。
登録は遠慮をせず、“一時保育をやっている4か所すべてに登録する”くらいの姿勢で対応しましょう。
(2)事前に見学する
「スタッフ」の雰囲気や「遊ぶ場所」はもちろん、「台所」や「トイレ」など隠れている場所も、見ておくべきポイントです。
見せてくれない、きちんと掃除されていない場合などは、登録をするか考えたほうがいいでしょう。
実際の一時保育の様子
ある親子の、初めての一時保育の様子を紹介します。
<体験者>
ママ、1歳11か月の男の子
<預ける理由>
いつもママと子どもの2人きりで、なかなか他の子と遊ぶ機会が無いため。
<預ける施設>
横浜市 「ともとものおうち」(一時保育専門施設)
事前に登録することで、利用することができます。
<預ける時間>
3時間
▼預けるときの様子
持ち物をスタッフに渡し、当日の子どもの様子を伝えます。
ママが出ていくと、子どもは大泣きしました。
※持ち物など必要な物は、事前に施設に確認しておきましょう。
▼施設での子どもの様子
ママが行くときは泣いていましたが、外遊びで機嫌を直し、お友達とも楽しく遊べました。
多くの場合、子どもはママと離れるときに泣きます。そのためママは心配になりますが、実は預けられている間ずっと泣いている子はほとんどいません。
▼子どものお迎えの様子
ママは施設での子どもの様子をスタッフに聞きます。
【体験したママの感想】
他の子と仲良く遊べ、ごはんもしっかり食べられたようです。
預けたことにより、息子のいつもとは違う面が引き出せたようで、良かったです。
ママがストレスを抱えている状態で、朝から晩まで1人で子育てをすることは、ママだけでなく、子どもにとっても本当は良くありません。ゆとりのない子育てになってしまいます。
一時保育施設を上手に利用すれば、親にも子どもにもプラスだということは、確信を持ってください。
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