どうして野菜を嫌がるの?

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2016/12/10

出典:すくすく子育て[放送日]2017/04/07

弟が生まれる少し前、だいたい1歳8か月くらいから、上の子が急に野菜を食べなくなりました。野菜で作ったものは「いらない」「違う」と言います。
野菜が足りていないためか、最近、2週間に1回くらいはかぜをひくようになったので心配です。
どうして急に野菜を嫌がるようになったのでしょうか?
また、どうしたら野菜を食べてくれるようになるのでしょうか?
(2歳2か月と4か月の男の子をもつママより)

2歳前後は自我が芽生えるころ

加部 一彦さん回答:加部 一彦さん

2歳前後は自我が芽生え、イヤイヤが始まる時期ということもあり、急に野菜が嫌いになることも多いです。

2、3歳ころに限定して考えると、この年齢でのかぜは、野菜不足が直接関係しているわけではありません。
この時期は体を守る免疫が発達段階にあるため弱いです。
その上、保育園など人がたくさん集まるところに行き始める年齢のため、外からいろんな菌をもらってしまい、かぜをひきやすくなるのです。
かぜをひくことで徐々に免疫が発達し、かぜをひきにくくなりますよ。

 

嫌がる原因は野菜の味と食べにくさ

上田 玲子さん回答:上田 玲子さん

野菜を嫌がる原因としては、2つ考えられるかと思います。

ひとつは、野菜が、子どもが本能的に嫌がるような味になっていることです。
味には5原味というものがあります。

■味の5原味
・甘み “エネルギーをもっている”サイン ・うまみ “タンパク質をもっている”サイン ・塩味 “塩分をもっている”サイン ・酸味 “腐敗”のサイン ・苦み 生物界では“毒”のサイン  
これら5原味のうち、「甘み」「うまみ」「塩味」は、人間が生きるために必要なものです。これらはおいしく感じられるため、人が好んで食べられる味です。 それとは反対に、「酸味」は“腐敗”のサインなので、本能的に恐怖を持ちます。「苦み」は生物界では“毒”のサイン。危険を感じるため、本能的に嫌がります。 緑の野菜はこの「苦み」が多いため、子どもが本能的に嫌がるような味になっているのです。 もうひとつの原因としては、食べにくさも考えられると思います。 野菜は繊維が多いため、まだ奥歯が生えていない2歳のお子さんにとっては、食べにくいものです。この時期のお子さんだと、野菜は小さく切ってあげたり、食べやすいように工夫してあげたりするといいと思います。例えば、トマトは皮をむいて、とろっとしている種の部分は取り除く、ブロッコリーはとろみをつけてあげるなどしてみてください。

 

小さく切って食べさせると、かんで食べることを覚えられないと聞き、あえて少し大きめに切っていたのですが、小さく切っても大丈夫でしょうか?

上田 玲子さん回答:上田 玲子さん

嫌いなものを食べにくい形状にすると、さらに食べなくなってしまいます。
野菜を食べられるようになってから、徐々に大きめに切ってあげるようにするといいと思います。

また、食べさせたいものをすべて一度に食卓に出してしまうと、好きなものから食べてしまって、お腹いっぱいになったら、嫌いなものは食べなくていいやとなってしまいます。
食事を出すときは、フルコース料理のように、食べさせたい料理から一品ずつ順番に出すような工夫もしてみるといいかもしれません。


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