たくさんある絵本の中から、子どもの年齢や成長に合わせた読み聞かせにぴったりの1冊を選ぶのは難しいですよね。
そこで、子どもの心の発達に詳しい秋田喜代美さん(東京大学 大学院教授[教育心理学])が絵本選びのポイントを年齢別に解説します。
0〜1歳は「安全性」「親子のやりとり」「音の響き」がポイント
0~1歳ころの子どもにとって、絵本は物と同じです。 そのため、子どもが絵本をなめたり、かじったりしても、それで良いのです。 絵本をあいだに挟んで、親子のコミュニケーションを楽しみましょう。
< 0〜1歳ころにおすすめの絵本 >
作・絵:まつい のりこ
出版社:偕成社
この絵本は、ページの角が丸く、破れにくい厚紙製になっています。
また、車などの身近な物が出てくる内容は、はじめての絵本にピッタリです。
「くだもの」
作:平山 和子
出版社:福音館書店
この絵本の内容は、くだものを切り分けて差し出すという単純な繰り返しです。
「さあどうぞ」という言葉をきっかけに、自然と「親子のやりとり」をすることができます。
「もこ もこもこ」
作:谷川 俊太郎
絵:元永 定正
出版社:文研出版
この絵本に出てくる「もこもこ」「にょき」などの言葉は、子どもが親しみやすい言葉です。
音の響きを楽しみながら読んでみてください。
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絵本を読み聞かせるときの「姿勢や座り方」「読み方」など、0~1歳ころの子どもと絵本を楽しむコツはこちら!
- 0~1歳ころの絵本とのつきあいかた
2〜3歳は「くりかえし」「主人公」「生活習慣」がポイント
2~3歳ころになると絵本が「読んで楽しむもの」になる時期です。 簡単なお話を楽しんだり、興味の幅も広がってきます。 また、少しずつ自分のことができるようになる時期なので、 トイレトレーニングや歯磨きなど、生活習慣に関するものも良いでしょう。
< 2〜3歳ころにおすすめの絵本 >
作:にしまき かやこ
出版社:こぐま社
この絵本は、主人公が着たワンピースが、お花畑を歩くと花柄に変わり、雨の中を歩くと水玉柄に変わります。
「くりかえし」があると、子どもたちが次の展開を予想して楽しめますよ。
「ぐりとぐら」
作:なかがわ りえこ
絵:おおむら ゆりこ
出版社:福音館書店
作:なかがわ りえこ
絵:やまわき ゆりこ
出版社:福音館書店
2~3歳になると、同じ主人公の違う話が読みたくなります。
シリーズ絵本は、おなじみの主人公が、次に何をするのかワクワクしながら読めるのが魅力です。
「おなら」
作・絵:長 新太
出版社:福音館書店
おならやうんち、からだのことに子どもは興味津々。
この絵本は、おならの仕組みをユーモラスに描いています。
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図鑑が好きな子の読み聞かせ、同じ絵本ばかり読みたがる場合の対処法など、2~3歳ころの子どもと絵本を楽しむコツはこちら!
- 2~3歳ころの絵本とのつきあいかた
4〜5歳は「ファンタジー」「知的関心」「登場人物の心情」がポイント
4~5歳ころは、起承転結のようなお話のつながりが理解できるようになります。 見通しを持ってお話を聞くことができるようになる時期です。 幼稚園や保育園などに通って経験や遊びが豊かになると、より複雑なお話を理解できるようになります。
< 4〜5歳ころにおすすめの絵本 >
作:モーリス・センダック
訳:じんぐう てるお
出版社:冨山房
この絵本の主人公はいたずらっこ。ママにしかられて閉じ込められた部屋からおとぎの世界へ。
夢のような冒険物語は、子どもの想像力をふくらませますよ。
写真・文:皆越 ようせい
出版社:ポプラ社
この絵本は子どもたちが大好きなダンゴムシの、自分では見えないようなアングルや、丁寧に観察できる写真が載っています。
自然に対する関心を育んでくれる絵本は、子どもが4~5歳になったら、ぜひ読んでみてください。
「おじいちゃんの ごくらく ごくらく」
作:西本 鶏介
絵:長谷川 義史
出版社:鈴木出版
この絵本は、大好きなおじいちゃんとの別れを描いた作品です。
人の命や心について考える作品にも触れてみましょう。
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きょうだいがいる場合の読み聞かせなど、4~5歳ころの子どもと絵本を楽しむコツはこちら!
- 4~5歳ころの絵本とのつきあいかた
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