0~1歳ころの絵本とのつきあいかた
子どもはこの年齢では、「物と絵本」の区別はついていないと考えられます。
絵本の「ページのつながり」を理解できるようになるのは、個人差はありますが2~3歳以降です。
そのため、子どもが「ページのつながり」が理解できるようになるまでは、絵本を最後まで読むことにこだわらず、親子でコミュニケーションを楽しむというところから始めてみてください。
0~1歳ころの子どもにとって、絵本は物と同じです。
そのため、子どもが絵本をなめたり、かじったりしても、それで良いのです。
絵本の読み聞かせで大切なことは、「親子のやりとり」です。
絵本をあいだに挟んで、親子のコミュニケーションを楽しみましょう。
講師:秋田 喜代美(東京大学 大学院教授[教育心理学]) 子どもに絵本を読んであげたいけれど、「読み方はこれで大丈夫?」と疑問に思うことはありませんか? そこで今回は、子どもの年齢に応じた親子での絵本の楽しみ方を紹介します。
0~1歳ころの「絵本選び」のポイント
0~1歳ころに選ぶ絵本のポイントは「安全性」「親子のやりとり」「音の響き」の3つです。
(1)安全性
0~1歳ころは、「安全性」を考慮したものがオススメです。
▼参考絵本:「じゃあじゃあ びりびり」まつい のりこ 作
この絵本は、ページの角が丸く、破れにくい厚紙製になっています。
また、「安全性」とは別のポイントですが、この絵本のように車などの身近な物が出てくる内容は、はじめての絵本にピッタリです。
(2)親子のやりとり
0~1歳ころは、「親子のやりとり」ができるような内容の絵本を選びましょう。
▼参考絵本:「くだもの」平山 和子 作
この絵本の内容は、くだものを切り分けて差し出すという単純な繰り返しです。
「さあどうぞ」という言葉をきっかけに、自然と「親子のやりとり」をすることができます。
(3)音の響き
0~1歳ころは、パパやママの声が大好きな時期です。
「音の響き」の面白さに、子どもは聞き入ります。
▼参考絵本:「もこ もこもこ」谷川 俊太郎 作 元永 定正 絵
この絵本に出てくる「もこもこ」「にょき」などの言葉は、子どもが親しみやすい言葉です。
音の響きを楽しみながら読んでみてください。
読み聞かせるときの「姿勢や座り方」のポイント
読み聞かせるときは、ママのお膝にだっこというスタイルが多いですよね。
読み聞かせるときの姿勢については、以下の点に注意しましょう。
(1)子どもと目線を合わせやすいか
絵本を見ている子どもの目線に合わせてあげましょう。
(2)子どもの反応がわかるか
子どもが絵本のどこに興味を示しているのか、体を動かしているのか、そういったことを肌で感じるスキンシップも大切です。
また、読み聞かせのときの姿勢はそれぞれが心地よい姿勢で大丈夫です。
まだお座りができない子どもの場合、クッションを使って落ち着く工夫をしてもいいですね。
それぞれのご家庭で、心地よい姿勢の読み聞かせスタイルを作ってみてください。
読み聞かせるときの「読み方」のポイント
親は自分の読んでいる声が聞こえているか、意識してみてください。
早く読むと、自分の読んでいる声はあまり意識しません。
子どもに語りかけながら、余韻を楽しんで読めるといいですね。
お話を全部読むことよりも「親子のやりとり」が大切です。
絵本を話題に、子どもに語りかけてみてください。
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