日本では「基本的に、子育ては家にいるママが1人でする仕事」という考え方がありますよね。
いったい、いつからこの考えが定着したのでしょうか。
昭和の初め頃までは、日本は農林漁業が中心の社会で、1950年ころでも、就業人口のおよそ半分は、農業や漁業に従事していました。
農家や漁師のおうちでは、家族ぐるみで働いていたため、お母さんも大切な働き手。
そのため、お母さんだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃん、年上のきょうだいや近所の人々、みんなで助け合いながら、子育てをしていました。
そして、地域には「生みの親」以外の親がたくさんいました。
出産のとき、赤ちゃんを取り上げる「トリアゲオヤ」
慣れないお母さんに代わって初めてお乳をあげる「チオヤ」
名前をつけてもらう「ナヅケオヤ」
このように、血のつながらない、いろんな親がたくさんいて、子どもに関わり、地域ぐるみで育て合っていたのです。
ところが、1960年代、いわゆる高度経済成長期のころから、工業やサービス業中心の社会に変化していき、会社勤めのサラリーマンが大多数になっていきました。
このころから、男性が外で働いて、女性は家で子育てや家事に専念するという、「性別役割分業」が定着したのです。
今のように、ママが子育ての大半をひとりで担うようになったのは、ここ50年くらいのことです。
現代のママたちは、昔にはなかった子育ての難しさを経験していると言えます。
歴史的に見れば、現代の特殊な状況の中で、ママたちが悩むことも当然と言えるのです。
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