夜中に突然火がついたように泣き出し、パパやママを疲労困憊させる赤ちゃんの夜泣き。
どうして泣くの?なぜ泣き止まないの?昼間はあんなにご機嫌だったのに・・・・・・夜泣きは、赤ちゃんのことが最も分からなくなる瞬間です。
育児の最難関とも言われる赤ちゃんの「夜泣き」にスポットを当て、夜泣きの原因やさまざまな対処法、夜泣きの歴史などについて考えます。
榊原洋一(さかきはら よういち) お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター教授 1951年生まれ。小児科医。専門は、小児科学、小児神経学、発達神経学、国際医療協力、育児学など。著書、訳書、監修書多数。
第3回 赤ちゃんが夜泣きを始めたら・・・夜泣きの対処法
原因不明と言われる赤ちゃんの夜泣き。
しかし、原因が分からなくたって、泣き止ませる手だてはあるんです。
今回は、具体的な夜泣き対処法についてご紹介します。
夜泣きの赤ちゃんを泣き止ませる方法
夜泣きに有効とされる対処法をご紹介します。
どれがみなさんのお子さんに一番合うのか、いろいろ試してみてください。
泣き止ませ作戦1 抱っこ
赤ちゃんは「抱っこ」されると、安心して気持ちよくなります。
すくコムリサーチの回答でもこの答えがもっとも多かった夜泣き対策法でした。
ただ普通の抱っこだけでなく、ママが仰向けに寝て胸の上に赤ちゃんをうつ伏せに寝かせる「カンガルー抱っこ」や、上下に揺らす「スクワット抱っこ」、おんぶ、スリングでの「横抱き」など、そのお子さんによって好みはさまざまなようです。
泣き止ませ作戦2 おっぱい・ミルク
おっぱいやミルクを与えると、すぐに泣き止むという赤ちゃんも多いようです。
ただ、こちらも抱っこをしながらおっぱいをあげないとダメ、寝ながらの添い乳がいいなど、やはり流儀はさまざま。一方、おしゃぶりなどで泣き止むお子さんもいるそうです。
泣き止ませ作戦3 目を覚まさせる
電気をつけて明るくし、一度完全に目を覚ましてあげるのも、効果的な夜泣き対処法と言われています。
しかし目が覚めてしまうと、また寝かしつけるまでに時間がかかるというデメリットもありますが、ずっと泣き続けられるよりはマシという意見も。納得です。
泣き止ませ作戦4 音をきかせる
テレビの放送終了後に流れる「ザーッ」という、いわゆる「砂嵐」の音。
このホワイトノイズと言われる雑音は、赤ちゃんを安心させて泣き止ませる不思議な力があるとか。
他にも、スーパーの袋をくしゃくしゃにする時の音や、換気扇の回る音など、意外なものが赤ちゃんを泣きやませるのに効果を発揮。
お腹の中にいた時に聞こえる音に近いから?という推測もありますが、理由はよく分かっていません。
泣き止ませ作戦5 他のことで気をそらせる
赤ちゃんは、自分の顔にものすごく反応することが分かっています。
赤ちゃん自身の写真を見せる、鏡に自分の顔を映して見せてあげるなど、赤ちゃんが興味をもちそうなことで気をそらせ泣くことを忘れさせる、という意見も多くいただきました。
おもちゃで遊ぶ、というのも気をそらすいい作戦ですね。
すくコムリサーチの回答では「一度パチンと手を叩き、ビックリさせて泣きやませる」という先輩ママもいらっしゃいました。
夜泣き対策チェックシート
先ほどは5つの対処法をご紹介しましたが、それでもなかなか止まない夜泣き。
もしかしたら赤ちゃんたちには何かの理由があるのかもしれません。
そんな場合のためにチェックポイントを抜き出してみました。
以下を参考に、赤ちゃんの状態をひとつひとつチェックしてみてください。
□おなかは空いていませんか?喉は乾いていませんか?
□おむつは汚れていませんか?
□布団の掛けすぎなど、暑さを感じる環境ではありませんか?
□寒さを感じていませんか?
□布団や下着、寝具などがチクチクしたり、不快な状態ではありませんか?
□周囲の音は、赤ちゃんにとってうるさくありませんか?
□熱や顔色の様子はいかがですか?泣き方が普段と違っていたら病気ということも考えられます。
今回ご紹介した対処法以外にも、昼間にできる夜泣き予防対策の方法として「ベビーマッサージ」や「タッチケア」を取り入れてみるのも良いかもしれません。
血流が良くなって、夜泣きが緩和される場合もあるそうです・・・?
いずれにせよ、赤ちゃんにとっては体を触ってもらうことが気持ちよくて嬉しいこと。
夜泣きの有無に関わらず、どんどんスキンシップをはかってみましょう。
おすすめBOOK
『泣いてる赤ちゃんがごきげんになる100の魔法』
(ジム・ペインコファー 著、内田由里子 訳, 榊原洋一 監修、PHP研究所)
夜泣きに困ったら、この本でさらなる赤ちゃん泣き止ませ作戦を試してみてはいかがでしょうか。
「足の裏にキスをしましょう」「おでこに息を吹きかけましょう」「窓の外を見せましょう」「時計やメトロノームの音を聞かせましょう」など、楽しそうな泣きやませ法が数多く紹介されています。
それでもダメなら……子どもが泣き疲れるまであきらめて待ちましょう……か。
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