男性学という視点から、男性の生きづらさについて発信している田中 俊之さん(武蔵大学 社会学部 助教 [社会学])にお話を伺いました。
子育て中の男性たちが共に抱えているのが「妻の役に立てていないのではないか」「子育ての役に立てていないのではないか」のような「無力感」です。
どうしてパパはツラいの?
現状の“イクメン”は理想が高すぎるからだと思われます。
ちゃんと仕事をしながら、家事・育児もしっかりするというのは、普通の男性にはとても厳しいことです。
これまでの長時間労働など、働き方が変わらない状況では、仕事と家事育児の両立は重荷です。
仕事と家事育児の両立は、これまですでに多くの女性が抱えてきた悩みです。
その同じ悩みが、今、男性に降りかかってきていて、男性がどのように変わっていくかが問われているのではないかと思います。
解決方法は?
抱えている仕事の状況や会社の制度もさまざまなので、一般論ではあまり考えない方がいいと思います。
各々の職場で、定時に帰れるのか、有給休暇が取れるのか、と組織の中で他の人と協調しながら、今の働き方を見直していくしかないと思います。
自分がいま置かれている状況で、できることから始めてください。
また、男性はツラいことや悩みをこれまでに言ってこなかったと思いますが、それを正直に吐き出すと課題と解決策が見えてくると思います。
男性が、胸の内に抱えている悩みを明らかにすることで、社会全体でどのようにしていくとよりよくなるのかという議論が進んでいけばいいなと思います。
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