子育てコトバ~子どもに伝わる言い換え術~ (4)電車やレストランにいるとき

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2017/06/29

出典:まいにちスクスク[放送日]2017/06/29[再放送]2017/07/06


電車やレストランにいるときの「子育てコトバ」

ポイントは、「理由を伝えること」です。


子育てコトバ~子どもに伝わる言い換え術~ (4)電車やレストランにいるとき

講師:井桁 容子(東京家政大学ナースリールーム 主任保育士)

「早くしなさい」「ちゃんと食べないと大きくなれないわよ」といった、普段子どもに対して何気なく使ってしまう言葉。
しっかりと子どもに伝わっているのでしょうか。
今回は、言葉を理解できるようになった3歳前後の子どもによく伝わる「子育てコトバ」を考えます。

電車でよく言ってしまう言葉

「いい子にしてて!」
電車に乗っているときに、子どもが「もう降りたい」などと騒ぎ出したときに言ってしまう言葉ですよね。
子どもにはよく意味がわからないかもしれません。

<言い換え術>

こういうときの子どもへの言葉で、大切なことは3つあります。
(1)理由を伝える
「大きな声を出すと、静かにしていたい人は耳が痛くなるよ」
「足をブラブラさせると、前の人に当たってズボンが汚れちゃうよ」
のように、騒いではいけない理由を子どもに伝えてあげましょう。

「いい子にしてて」と言うことは、自分自身を全て箱の中にしまいこんでおきなさい、ということです。
そのため、子どもにはなぜいけないのかという「理由」や「状況」ではなく、「ママの期待に沿った行動をしなくてはいけない」ということだけが伝わります。

(2)見通しが分かる言葉をかける
「あと2つ駅を過ぎたら、降りられるよ」
といった、「見通しがわかる言葉」をかけることも大切です。
次の行動をイメージできれば、子どもも我慢ができます。

(3)電車に乗っていることが楽しくなる言葉をかける
「次の駅は面白い名前の駅だよ」
「もう少ししたら見える大きな建物は、○○を作る工場だよ。」
のように、電車に乗っていることが飽きないような言葉がけをしてあげましょう。
子どもに、電車に乗ることは我慢してじっとしているだけでなく、おもしろい要素がたくさんあるということを気づかせてあげることが大切です。
 

レストランでよく言ってしまう言葉

「だから静かにしてって言ったでしょ!」
子どもがレストランなどで騒ぎ、水をこぼしたりしてしまったときなどに言ってしまう言葉ですよね。

<言い換え術>

ママは「この子は何も分かっていないから騒ぐのをやめなかった」という思いから、「だから言ったでしょ!」と言ってしまいがちです。
しかし、実は子どもは水をこぼした時点で「しまった。申し訳ないことをしてしまった。」と思っています。
叱るのではなく、「これは失敗だったね」と声をかけ、早く状況を良い方向に持っていこうと努力しているママの姿を見せましょう。
そのようにすると、子どもも「悪いことをしてしまったな」と思います。
イラッとしがちな状況ですが、黙って片付けて、「行動の見本」を見せてあげましょう。
そのほうが子どもも、ママが「本当は怒りたいのに我慢して、僕の後始末をしてくれている」ということまでわかります。
子どもがわかってくれることを信頼しましょう。

また、「周囲の人の思い」を伝えることが大切です。
「ママに叱られるから静かにする」ではなく、
「レストランは静かにするとこだよ。そうじゃないともうお店には来れないんだ。」
と、マナーがあるということを教えるチャンスにしましょう。
マナーを教えた上で、子どもが騒いでしまったら許さず、「静かにしてお店に残るか」「外に出るか」を子どもに選択させてあげることも大事です。
 
 
子どもは、親が使う言葉から言葉を学ぶと言います。
子どもにまねして欲しい言葉を使ってみてはどうでしょうか。


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