片付けのときの「子育てコトバ」
ポイントは、「見通しをつけること」ができるコトバです。
講師:井桁 容子(東京家政大学ナースリールーム 主任保育士) 「早くしなさい」「ちゃんと食べないと大きくなれないわよ」といった、普段子どもに対して何気なく使ってしまう言葉。 しっかりと子どもに伝わっているのでしょうか。 今回は、言葉を理解できるようになった3歳前後の子どもによく伝わる「子育てコトバ」を考えます。
片付けのときによく言ってしまう言葉(1)
「早くしなさい」
子どもに散らかしたおもちゃの片付けを促しても、なかなか片付けてくれないときに言ってしまう言葉ですよね。
これは、日本のママが一番よく言ってしまう言葉です。
<言い換え術>
「片付けが出来たら、次はおいしいごはんを食べようね」
「お片づけが終ったら公園に行こうね。どんなお花が咲いているだろうね」
「時計の針が6のところにきたら、ごはんができるから、それまでに片付けてね」
というように、先を見通せ、具体的な映像が見える言葉を使いましょう。
子どもが次の行動を具体的にイメージしやすくなり、行動を起こしやすくなります。
また、
「今日は茶色いハンバーグ、緑色のブロッコリー、オレンジ色のにんじん、黄色いおいもが待っているよ」
と、色や形など感覚的にわかるような言葉を添えたりすると、子どもはより、イメージがしやすくなります。
ママが子どもを操作しようとする言葉より、子どものイメージを見えやすくしてあげる言葉のほうが効果的です。
大人は早く出来る子がいい子だと思ってしまいがちですが、時間がかかっても、子どもが片付けの本当の意味を理解することが大切です。
「片付けておくと次に使いやすいよね」
と、具体的に伝えることを心がけたり、「おもちゃが大切なモノ」であることをきちんと伝えてあげましょう。
片付けのときによく言ってしまう言葉(2)
「きちんとしまいなさい」
片付け始めたものの、おもちゃを乱暴に扱ったりしてうまく片付けられないときに言ってしまいますよね。
「きちんと」のように子どもにはよく分からない言葉はたくさんあります。
<言い換え術>
子どもはゲーム感覚でやると、片付けることがおもしろいと感じます。
ケースを用意したり、箱を仕切ってあげるなど、子どもが片付けるのがおもしろいと感じる工夫をしてあげましょう。
「乱暴に扱った結果、おもちゃが壊れてしまった」という経験も大事です。
その経験を例にして、
「この前、乱暴に扱ったら壊れてしまったよね、そーっと扱おうね」
と伝えることもできます。
また、この「そーっと」という言葉を子どもが理解すれば、片付けのときだけでなく、赤ちゃんを触るときやケガをしている箇所に触れるときなどにも、応用できます。
叱るときは、「叱られたからおもちゃを片付ける」という話にとどめるのではなく、モノを大事にすることを具体的な形で伝えていくことが大切です。
子どもの行動を促したいときは、ママの表現力をフル活用して、子どもがイメージしやすい楽しい言葉をたくさんかけてみてくださいね!
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