塗り薬の使い方
治療の内容によって、塗り薬の種類や塗り方が変わります。
使う場所や効能・効果をよく知り正しく使用しましょう。
講師:日沼千尋(東京女子医科大学 看護学部教授) 今回は、塗り薬の使い方を看護学部教授の日沼千尋さんに教わります。
塗り薬の種類と塗り方
塗り薬の種類は大きく3つに分けられます。
<ローション(保湿、消毒の場合など)>
すぐ乾いた方が良い、広い範囲を覆いたい場合に処方。
▼塗り方
適量を手に取り、両手に広げ、幹部を覆うようにすばやくつける。
肌を叩かないよう気をつけましょう。
<クリーム(虫さされや打撲の場合など)>
炎症を抑え、血管の収縮を促す目的で使われる。乳化剤が入っているため乳白色。
▼塗り方
適量を指で取り、肌によくすり込む。
クリームタイプは肌の奥へ浸透させることが目的のため、すり込むことで、有効成分が肌の奥へ浸透します。
<軟こう(アトピー性皮膚炎、傷の治療保護の場合など)>
油分で患部を覆い、外部の刺激から保護しながら、有効成分を肌に届ける。
▼塗り方~基本~
「1F1U(ワンフィンガー ワンユニット)」を参考に、適量を取り、薄い膜を作るように患部に一気に軟膏を広げる。
決してすり込んではいけません。すりこむと傷の部分に薬が残らず、傷の治りが悪くなります。
参考:「1F1U(ワンフィンガー ワンユニット)」とは
軟こうの最適な量の測り方。
大人の人指し指の第一関節までの間が、およそ2cm 0.5gの量で、
大人の手のひら2枚分の広さに塗るのが基本。
▼塗り方~やけどや深い傷の場合~
木べらや綿棒で軟こうを取り、ガーゼにひろげる。
指で直接触らないようにしましょう。
ガーゼの布目が見えなくなるくらいの厚さにするのがポイントです。
【ワンポイントアドバイス】
人の皮膚は部位によって吸収率が違います。
とくに顔の皮膚は吸収率が高いため、体用の薬は顔に塗らないようにしましょう。
塗り薬は皮膚が自分の力で再生するのを助けるものです。
塗る前に、患部を刺激しないよう肌の汚れを落とし、肌を清潔にしてから使いましょう。
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