以前は好きだったお絵描きを楽しめなくなった… どう対応したらいい?

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2024/11/23

出典:すくすく子育て[放送日]2024/11/23[再放送]2024/11/28

息子が好きだったお絵描きを楽しめなくなって心配です。「絵を描こう」といっても「ママが(輪郭を)描いて、塗るから」と言います。「やってみたら」と言っても「できない」と。保育園でちぎり絵を作ったときは、みんなが作り始めても手を付けなかったそうです。貼り絵はほとんどやったことがないから、自信がないのかもしれません。
以前は、実際と違う色でも形でも全く気にせず、好きなように絵を描いていました。今は本物そっくりな絵じゃないと気が済まないようです。絵を描くことに正解を求めてしまっているのかもしれません。
私も、2~3歳まではただ褒めていたのですが、4歳になると求めるものが出てきて、絵に口を出してしまうこともありました。絵が苦手でもいいのですが、「頑張った」と達成感を得てもらうには、どう対応していったらいいのでしょうか。
(お子さん4歳のママ)

自分が周りからどう見られているかを気にし始めている

回答:汐見稔幸さん

4~5歳ぐらいにかけて、自我の発達が飛躍するといわれています。自分が人や周りからどう見られているかを気にし始めるのです。まわりが自分にどう期待しているのかを感じて、その通りにできないならやめたほうがいいと思うこともある。「自分で好きなように描けばいい」という段階から、次の段階へ入っているのだと思います。

本物のように描かなければと思い込んでいるかも。意識して「自分らしく描くのが一番」と伝える

回答:汐見稔幸さん

園でどのような指導がされているのかはわかりませんが、例えば、絵を見たときに「本物みたいだね」と言われているのを聞いたら、4~5歳だと「本物みたいに描かなきゃいけないんだ」と思い込むこともあります。「自分は本物みたいに描けない」と思って、「ママが描いて」と言っているかもしれません。
そんな思い込みがあるのだとしたら、もう1回崩してあげないといけません。時間はかかると思いますが、「色はなんでもいいよ」「自分らしく描くのがいちばん大事」と伝えていくのです。

「上手!」と褒めると評価に聞こえてしまうことも

回答:井桁容子さん

「上手!」と褒め過ぎてしまうと、子どもにはそれが評価に聞こえてきます。その裏側には、「下手はダメ」があるのです。感想を言うことは大事ですが、特に4歳ぐらいの子どもは、上手・下手の評価の言葉に敏感です。上手・下手ではなく、「ここのところは面白く描けたね」「この色を使うんだ」など、感想を伝えましょう。
丸山桂里奈さん(MC)

絵を見て、本当にすごい作品だったら大きく反応してもいいですか?

絵を好きにさせようとしてウソの反応はしない

回答:井桁容子さん

思ったままの感想を伝えればいいと思います。でも、親の「絵を好きな子どもにしよう」といった作為が少しでもあると、子どもはそのたくらみがわかってしまいます。

絵を見て「その子らしさ」をみつける

回答:汐見稔幸さん

私は、その子らしさを見つけることが褒めることだと言っています。「こんな色で描くなんて、〇〇ちゃんらしいね」「ここにこんなものを描いちゃうの面白いね」といったことであれば、大丈夫だと思います。

子どもに五感を刺激するような経験をたくさんさせる

回答:井桁容子さん

大人は絵の技術的な部分に目がいきがちですが、絵は表現です。例えば「おいしいとうもろこしを食べた」という、強く感じたことを描いたら、いい作品になると思います。
一時的に「描けない」と言い出したら、少し絵から離れてみましょう。そして、五感を刺激する、おいしい・いい匂い・きれい・すごいなどを感じる経験をたくさんさせてあげる。いずれ描きたくなるときが来ると思います。「感じる」をため込むことが必要かもしれませんね。

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