秋冬の感染症(1)発熱

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2024/10/28

出典:まいにちスクスク[放送日]2024/10/24[再放送]2024/10/28

秋冬になると増える感染症。子どもが熱を出したり、おなかをこわしたりすると心配ですよね。不安なことや知りたいことを、小児科医の松永展明さんと、看護師の野村さちいさんに聞きました。

秋冬に多い感染症は、インフルエンザ、コロナウイルス、RSウイルス、ウイルス性胃腸炎(ノロ・ロタ)などになります。
今回は「発熱」についてです。

講師:
松永展明(国立国際医療研究センター病院 小児科医)
野村さちい(小児救急看護認定看護師/「つながる ひろがる 子どもの救急」代表)

感染症で発熱! すぐに受診したほうがいいのはどんなとき?

解説:松永展明さん

生後4か月未満の場合

生後4か月くらいまでは、母親から受け継いだ抗体による免疫があります。それでも発熱する場合、重篤な感染症の可能性があるので、すぐに受診してください。

すぐに受診が必要 生後4か月未満

4か月未満の赤ちゃんで、すぐに受診が必要なのは、38度以上の発熱、母乳やミルクを飲まなくなる、泣き声が弱々しい、ぐったりしている、顔色・手足の色が悪い、呼吸が苦しそうなどです。

これ以外でも心配な場合はためらわずに受診してください。

生後4か月以上の場合

4か月以上になると、カゼをひきやすくなります。ふだんとぐずり方が違う、いつものようにあやしても泣きやまないのは、受診のサインのひとつです。

4か月以上の場合、発熱しても必ずしも受診が必要なわけではありません。

すぐに受診が必要 生後4か月以上

異様にぐずる、ぐったりしている、遊びに関心を示さない、顔色が悪い、呼吸が苦しそうなどが受診の目安となります。41度以上の非常に高い熱の場合は、すぐに受診しましょう。

これ以外でも心配な場合はためらわずに受診してください。

熱が出たとき、冷やすの? あたためるの?

解説:野村さちいさん

一般的に、熱が上がってくるときは寒がることが多いので、あたたかくしてあげます。1枚服を着せたり、掛け物を1枚かけたりするといいでしょう。
一方、熱が上がり切ると暑がることが多いので、1枚薄着にするなど、涼しくしてあげます。

子どもが嫌がらないなら、首筋やわき、足の付け根をタオルなどで包んだ保冷剤で冷やしてもよいでしょう。

ポイントは「子どもが心地よく過ごせる」ことです。子どもは発熱して病気とたたかっているので、心地よく過ごせるようにして回復をサポートしましょう。

解熱薬を使う目安は? 38℃~38.5℃と言われたけれど必ず使わないといけないの?

解説:松永展明さん

38℃以上で使わないといけないわけではありません。発熱は感染症から体を守る反応なので、発熱自体は心配しなくていいでしょう。

解熱薬(解熱剤)

解熱薬(解熱剤)は、熱で水分・食事がとれないときに体を休ませるために使います。
※解熱剤を使用する際には必ず6時間以上空ける
※6か月未満の乳児には原則使用しない、使用する場合は医師に相談する

解熱剤は、病気そのものを治すものではありません。熱の高さに関わらず、体がつらそうなとき、一時的に体を休ませ、水分や栄養をとることが目的だと考えてください。


松永展明さん

実は、乳幼児期に30回カゼを引くといわれています。カゼを引くのは、お父さんやお母さん、誰が悪いわけでもありません。
また、親の「子どもが何かおかしい」という直感は大事です。そんなときは、自信を持って受診してください。

まいにちスクスク「秋冬の感染症」の番組記事

まいにちスクスク
 
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