子育て中、食事の支度に追われていませんか? たまには市販品を使って、手間をかけずに子どものごはんを作ってもいいんです。管理栄養士の川口由美子さんに、おいしくてバランスのいい幼児食を手間なく作るコツを教わります。
今回は、できあいのおそうざいを子ども向けにアレンジします。
講師: 川口由美子(管理栄養士/母子栄養協会代表理事)
おそうざいはおいしいですが、大人向けは味が濃いものが多く、子どもには塩分が多いので、薄める必要があります。ポイントは「洗う」「ちょい足し」です。
子ども肉じゃが
濃い味を薄めるための基本は「洗う」こと。さっそく、おそうざいの「肉じゃが」を子ども向けに洗ってみましょう。
材料(子ども約2食分)
- 市販の肉じゃか
- 1人分(200g)
- 水
- 肉じゃががひたるくらいの量(約150ml)
作り方
まず、肉じゃがの汁気を切ってから全体がひたるくらいに水を足し、軽く混ぜて表面の味を薄めます。
表面の味つけが取れたら、水から上げて、子どもが食べやすい大きさ(大きい具は厚さ1cmくらい)に切ります。キッチンばさみを使うと便利です。
鍋に移し、ひたるくらいに水を足して約2分加熱します。
加熱することで、濃い味が外に溶け出します。汁に色が出てきたら、塩分や味が外に溶け出している証拠です。
汁気を切って器に移し、冷まします。
煮物などは水につけ加熱して洗うテクニックが役立ちますよ。
からあげ野菜炒め
大人にも子どもにも人気のからあげ。しっかり味がついていて、油が多めなのが気になります。たとえば野菜サラダなどを添えてドレッシングをかけると、塩分をダブルで取ることになってしまいます。
味が濃いおそうざいは「調味料として考える」ことがポイントです。手軽に使えるカット野菜の調味料として使ってみましょう。
材料(子ども1人分)
- 市販のからあげ
- 2個
- カット野菜
- 50g
- 水
- 大さじ1
作り方
野菜にふんわりとラップをかけて電子レンジで加熱(目安は600W 1分)します。
※機種によって仕上がりが異なるため様子を見て調節しましょう
先に加熱することでやわらかくなり食べやすくなります。
からあげは、子どもが食べやすいように約1cm幅の薄切りにします。
フライパンに入れて火にかけます。
からあげの衣の油をフライパンになじませて炒めるのがポイントです。余計な油を使わなくて済みます。
水を足して、からあげの味を外に出します。水を加え炒めることで、からあげの味が野菜に入りやすくなります。
野菜を加えて炒めて、味をなじませます。
からあげだけだとあっという間に食べてしまう量でも、カット野菜をそえることで立派なおかずになります。野菜もたっぷり食べられ、味の濃さも子どもにちょうどよくなります。
切り干し大根の いり豆腐
次は、野菜の煮物です。
豆腐をちょい足しして、味を薄めましょう。
材料(大人1人+子ども1人分)
- 切り干し大根の煮物
- 100g
- 豆腐
- 150g
※冷蔵保存2日可能
作り方
切り干し大根の煮物は、子どもが食べやすいようキッチンばさみで切ります。
フライパンに切り干し大根、豆腐をスプーンなどですくい入れます。豆腐を崩しながら炒め、水分を飛ばします。
ポイントは、おそうざいの味の濃さを味付けに生かすこと。切り干し大根から少しずつ出てくる味を、豆腐に吸わせるイメージです。
味が濃いおそうざいと味がほとんどついていないような食材を合わせることで、味付けが不要になり、ボリュームアップにもなります。
水分がほとんどなくなったら火からおろします。
豆腐を足すことでまろやかな味になります。
さらにタンパク質も摂取できます。
足りない栄養を「ちょい足し」してバランスを整える
おそうざいを使うとき、「何をちょい足しすれば、栄養バランスが整えられるか」をおおまかに考えながら食材を選ぶのもいいかもしれません。野菜が足りないなと思ったら野菜を足すなどです。
ごはん(炭水化物)、たんぱく質(肉・魚・豆類)、野菜、この3つが入っているかチェックしてみましょう。
まいにちスクスク「市販品で手間抜き! 子どもごはん」の番組記事
- (1)おそうざい
- (2)保存食品
- (3)冷蔵・冷凍食品
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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