発育曲線からはみ出している… どのくらいはずれたらよくないの?
子どもの体重が発育曲線の上のほうにいってしまっています。健診では「特に心配はない」と言われましたが、太り過ぎ(肥満)と何が違うのか気になっています。
(お子さん1歳のママ)
(お子さん1歳のママ)
赤ちゃんの体重は脂肪ではなくほとんどが水分
回答:加部一彦さん 赤ちゃんの体重が増えることと、大人の肥満とは違います。赤ちゃんは脂肪で太っているのではなく、体の中の水分のバランスで体重が増えます。体重あたりの水分がとても多いので、あんなにプリプリしているわけです。 例えば赤ちゃんが下痢をすると、体重が1kgぐらい減ってしまいます。体重が多いことより、脱水による体重減が心配なのです。体重が増えていることは、あまり気にしなくてもいいでしょう。
曲線に沿って伸びているかが重要
回答:加部一彦さん 体重や身長が、発育曲線の範囲内に入らなければいけないわけではありません。「94%が範囲内で、それより大きい子も小さい子もいる」ということを表しています。曲線に沿って伸びているかが重要です。 例えば、横ばいだったり、急激に増えたりしていなければ、あまり心配する必要はありません。
―― 肥満に気をつけるのはいつからですか?
大人の食生活に近づく3~4歳から
回答:加部一彦さん 3~4歳になると、菓子を食べはじめるなど、大人の食生活に近づいていきます。また、家にこもってあまり動かないなど、食生活や運動で大人と同じような肥満になることがあります。
健診で、子どもたちが3人とも身長が低いと指摘されて経過観察になりました。身長が低いことで何かあるのか、気をつけることがあるのか、どのぐらい発育曲線からはずれていたらだめなのかと気になっています。
(お子さん3歳の双子・10か月のママ)
(お子さん3歳の双子・10か月のママ)
身長も曲線に沿って伸びていれば問題ない
回答:加部一彦さん 身長も体重と同じように、曲線に沿って伸びていれば範囲の外でも問題ありません。
治療が必要な低身長かどうか、早期発見するためのチェックが必要
回答:加部一彦さん 小さくうまれた子は身長の伸びが悪いこともあります。双子の場合は小さめなことがありますね。そのような場合は、身長の伸びを、日本人の月齢ごとの平均身長や月当たりの伸びなどのデータと比較してどうなのか、3か月ごとに見るなどします。 3歳ぐらいで極端に小さく身長の伸びが悪い場合、将来的に伸びがよくない子もいるので、早く見つけないといけません。成長ホルモンを使うなど、治療が必要な子もいます。そのためにも、身長が伸びているかを定期的にチェックすることが必要です。小さい子でもその子なりに伸びていれば、大きな問題はありません。
―― 子どもが「大きい」「小さい」という発育曲線に関する悩みは多いのですか?
成長スピードには個性がある。気にしすぎず子どもの全体を見る
回答:市川香織さん 結構ありますね。ただ、「身長がまだ伸びていないけど体重は伸びている」「できることが増えた」など、その子の全体を見ればあまり心配のないこともあります。成長スピードは、子どもそれぞれに個性があります。
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