失敗する前にやめてしまう… 自己肯定感との関係は?

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2024/03/31

2024/03/31

長女(4歳6か月)は、子ども番組のクイズに参加するのが大好きです。少し難しい問題でも楽しくチャレンジします。でも、失敗しそうになると「(代わりに)やって!」と言ってきます。「やってごらん」「失敗してもいいんだよ」と言っても「できない!」と返されます。失敗しそうになると失敗する前にやめてしまうのですが、成功することがすべてになってほしくはありません。
失敗したら自分の評価が下がる、ダメになってしまうというような自信のなさと自己肯定感は関係があるのでしょうか。
(お子さん4歳6か月・1歳のママ)
鈴木あきえさん(MC)

いつも失敗を恐れていたら「ちょっとやってみようよ」「がんばれ」と言いたくなってしまいますよね。

生活全般を見てチャレンジする場面があればよい

回答:遠藤利彦さん

お子さんは、決して自己肯定感が低いわけではないと思います。ゲーム感覚で、時間の制限がある中で「できるかできないか、ドキドキわくわく」している状態なのでしょう。一方で「ドキドキわくわく」を避けたい気持ちもあり、「代わりにやって」と言っているように思います。
おそらく、他の遊びでいろいろなことにチャレンジしているのではないでしょうか。そのとき、たとえうまくいかなくても「もっと遊ぼう」となっていれば、基本的にチャレンジはできていると考えていいでしょう。そのように、生活全般に目を向けてみましょう。

そのまま認められることで、子どもは自分で考えるようになる

回答:天野ひかりさん

子どもの自己肯定感を育てる基本は、子どもの判断を認める言葉をかけることです。
例えば、子どもが途中でやめたときに、親が「やめないで。あなただったらできるよ」や「やめたくなったら、やめてもいいよ」と言ったとします。それらはどちらも、親が子どもの行動を判断している言葉になってしまいます。
この場合、子どもの判断を認める言葉かけは「やめたのね」でいいのです。大人は「こうしたほうがいい」と判断せず、子どものそのままを認めてみましょう。すると、子どもは認められたので「やめたけど、本当にそれでいいのかな」「自分は別のことをやりたいのかな」と、いろいろ考えるようになります。
鈴木あきえさん(MC)

「やめたのね」と「やめてもいいよ」は、似ているようで全く違うのですね。

子どもを認める言葉かけのヒント

解説:天野ひかりさん

オウム返し作戦

例えば、子どもが「怖いからいやだ」と言ったら、親は「いやだね」と返します。子どもは、耳から「いやだね」という自分の言葉を聞くことで冷静になります。そのあと、子どもが「『いや』じゃないもん」と言ったら、親は「『いやじゃないもん』なんだね」でいいのです。
自分が言っていること、やっていることを認めてもらうことで、自分のことを、自分がどうしたいかを子どもなりに一生懸命考えるようになります。

実況中継

そして、0歳からできる「実況中継」。子どもの行動をそのまま言葉にすることで、子どもの視点に立つこともできます。
例えば、「食べてますね」「にんじんを食べました」のように1つずつ言葉にしていくと、子どもは「ママ・パパが見てくれている」「自分がやっていることが認められている」と思うのです。
また、自分の気持ちや行動を表す言葉がその場で耳に届いているので語彙力にもつながります。

認める言葉かけのヒント

まずは、認める言葉をかける。その後に、親がお手本を見せる。最後に伝えたいことを説明する。この順番に会話を重ねていくことが大事です。
「これをやりなさい」「なんでやらないの」と伝えたくなるのはとてもわかりますが、それは、親が「身につけてほしいこと」なので器に入りきらない水を注ぎこむような行為といえます。まず認めることで自己肯定感という器を育み、お手本を見せてから知識など伝えたいことを説明していけるといいですね。

日常で親の間違いや失敗を見る経験も大切

遠藤利彦さん

おそらく親も間違えることはたくさんあると思います。そのように大人が失敗している場面を子どもが見る経験も、大切だと考えてみるといいでしょう。

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