子育て川柳大賞(3)「子育てハッピー」編

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2024/01/06

出典:すくすく子育て[放送日]2024/01/06[再放送]2024/01/11

子育て川柳「子育てハッピー」編

続いて、うれしいこと、感動したことを詠んだ「子育てハッピー」編です。

うつむいて 幸せ広がる だっこひも

北海道 お子さん10か月のママ

10か月の息子は寂しがりやで、ママと一緒じゃないとすぐに泣いてしまいます。ひとときも離れてくれないので家事がおろそかになりがちでした。パパはそんな状況を見て、率先して家事を進めてくれます。でも、「他のママはできているのに」と落ち込んでしまうことも。あまりにも離れてくれないので、家の中でだっこひもを使ってだっこすることにしました。
そんなとき詠んだ一句です。

うつむいて 幸せ広がる だっこひも

だっこで泣くことが減り、家事もはかどるようになりました。そして、ふとしたときにうつむくとだっこひもの間からぷくぷくのほっぺが見えます。そのたびに「かわいいな」と思い、つらいことを忘れ、しあわせな気持ちになれます。今は1日5時間だっこすることもあります。以前はスマホのゲームが趣味でしたが、今はだっこが趣味になり、ゲームはしなくなりました。
倉石哲也さん

だっこはスキンシップにもなり、実は赤ちゃんの育ちにもいいのです。親に体を任せていると、余計な力が抜けて、体のバランスがよくなるといわれています。
麦谷綾子さん

以前は、「だっこ癖がつく」といわれることもありましたが、今はアタッチメント(愛着形成)といった観点からも、子どものだっこに応えることは大事だとわかってきています。子どもが成長していくと、だっこ以外のいろんな方法ができるようになって、その引き出しがたくさんあると、どんどん楽になると思います。コミュニケーションのしかたはそのときどきで、だっこがいいときもあれば違うやり方がいいことも出てくるのではないかと思います。

何してる? 「風食べてるの」 口開けて

お子さん2歳4か月のママより

子どもを保育所へ迎えにいった、帰り道のできごとを詠んだ一句です。

何してる? 「風食べてるの」 口開けて

ある日、自転車で保育所から家まで帰るとき、チャイルドシートに座る娘が口を開けていました。「なんで口を開けてるの?」と聞くと、「風食べてるの」と言うんです。天使のような答えに、ストレスフルだったことが嘘のように吹き飛びました。
麦谷綾子さん

子どもが見ている世界は、枠組みや知識、言葉がないからこそ出てくる表現がありますよね。大人には、なかなか発想できません。そのおもしろさが、子どもの思いがけない表現や行動で気づかされます。

母よりも 慈愛に満ちた 兄4歳

三重県 お子さん4歳・1歳のママより

娘(1歳)は、すぐ泣いてしまいます。新生児のころは夜泣きもすごく、お世話で慢性的な寝不足状態。当時はストレスがMAXで、思わず「なんで泣いとんのさ!」と声を荒げてしまったことがありました。そのとき、お兄ちゃん(4歳)が、「まだ赤ちゃんだから怒らないで!」と注意してきたんです。
その反省の気持ちを詠んだ一句です。

母よりも 慈愛に満ちた 兄4歳

お兄ちゃんは「どうしたの?」と妹にやさしく声をかけてくれました。私は、お兄ちゃんに怒られた瞬間、我に返り「ごめんなさい」という恥ずかしい気持ちになったと同時に、お兄ちゃんの成長を感じ、しあわせな気持ちにもなりました。
倉石哲也さん 

もともと、親からやさしさを受け継いでいると思いますよ。夜泣きなどで大変なときは、きつく言うことがあるかもしれませんが、ほかの場面では、日常的に、家の中にやさしい会話があるのだろうと思いました。
麦谷綾子さん 

「母親は慈愛に満ちている」という理想像がありますが、そんなことはありません。それなのに、どうしても罪悪感を持ちやすい傾向があります。ママが常に家の中の慈愛を全て引き受ける必要はなく、家族みんなで慈愛のバランスをとればいいのです。
お兄ちゃんがその役割を担えているのは、家庭のあたたかさがあると思います。家族みんなで妹に愛情を注げているのだろうなと感じました。

写真館 一人立つ 小さな背中

東京都 お子さん5歳のママより

娘が生まれたのは3月29日。はじめての子どもです。早生まれの娘は、同級生より一回り小さくて、何をやるにも出遅れてしまいます。甘えん坊でママやパパが大好きで、いつもだっこをせがんできます。
そんな娘が、5歳のとき見せた姿を見て詠んだ一句です。

写真館 一人立つ 小さな背中

5歳の記念に、写真館で家族写真と本人1人の写真を撮影してもらいました。1人の撮影のとき、小さな足で台にあがり、心細そうな背中を見せ、カメラマンさんの「笑ってね」という声かけに一生懸命対応していました。かよわいその肩と背中に胸が熱くなりました。
倉石哲也さん

写真のお子さんは、すごくしっかりしたりりしい、いい顔をされてますね。
麦谷綾子さん 

うちの上の子も早生まれなんです。11か月の子と0か月の新生児は、全然違いますよね。「相対年齢効果」という研究もされています。その子たちが同学年になると、ある程度の発達の差はしかたがないことですが、親はほかの子と比べて心配になります。でも、比べるべきは他の子ではなく、その子の少し前の姿です。成長を感じて、早生まれだからこそ、より感動することもあります。
お子さんが写真館で頑張っている姿に親が成長を感じて、そこに喜びを見つけられたのは、早生まれだったこともあるかもしれませんね。とてもすてきな話ですね。
鈴木あきえさん(MC)

私もここで一句出てきてしまいました。「子育ては 最高級の 推し活だ」。ありがとうございます。川柳、楽しいですね。
古坂大魔王さん(MC)

自分の句ばかりどんどん出さないでくださいね!

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