アウェイ育児は、なぜ大変?
―― すくすくファミリーのみなさん、どんなときにアウェイ育児を感じましたか?
〇保育園の緊急連絡先を誰にするか悩みました。
〇気軽に悩みを相談する人が誰もおらず、地域の輪に入りにくさを感じていました。これからも転勤が考えられるので、幼稚園や小学校に入って転校を繰り返すのが娘の負担にならないか不安です。
―― 大日向さん、アウェイ育児はどうして大変だと感じるのでしょうか?
「自分で選んだ生き方」「自分で選んだことは自分で始末」という圧力がある
回答:大日向雅美さん 以前は、結婚に「嫁ぎ先」という言葉があるように、女性にとってアウェイでした。自分が住んでいた土地や親族から切り離され、夫のところに行き、そこから始める。しかたがないと我慢していたと思います。 しかし、今は自分で選択できます。一方で「あなたの生き方は、自分で選んだのよね?」という選択幻想があります。また、もうひとつ日本の社会でよくないと思うのは、「自分で選んだのだから、自分でなんとか始末しなさい」という自助努力の考え方です。 自分ひとりでできることには限りがあります。もともと子育てが大変なのにアウェイとなり、選択幻想と自助努力を押しつける文化が重なっているのではないでしょうか。
古坂大魔王さん(MC) たしかに、「自己責任」という言葉が聞かれるようになりましたね。ただ、自己責任であっても、育児を経験すると「助け合わないとやっていけない」ことがまざまざとわかります。
価値観が多様化しているのに子育てはアップデートされていない
回答:大日向雅美さん 親が中心になって子育てすることには変わりませんが、本当に楽しんで、余裕を持って子育てするためには、社会の支えが必要です。これほど価値観やライフスタイルが多様化しているのに、子育ては「家庭の中で」「親だけで」、ましてや「ママだけで」という考えがアップデートされていないと感じます。何とかしないといけないと思います。
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