布オムツでオムツかぶれが治ったけど、使い続けていいの?
ただ、このまま布オムツを続けていいのかモヤモヤしています。冬になると乾きにくくなりそうだし、使い続けても清潔なのか心配です。
(お子さん3か月のママ)
―― 馬場さん、そもそもなぜオムツかぶれになるのですか?
赤ちゃんの肌はデリケート
回答:馬場直子さん 赤ちゃんの肌は、大人に比べてとてもデリケートです。皮膚には、外界から人体を守るバリア機能がありますが、赤ちゃんの肌は薄くて保湿機能が弱く、乾燥しやすいので、外からの刺激が入りやすくなっています。肌のバリア機能が未熟で、少しの刺激でも炎症を起こしやすいのです。
オムツの中は高温多湿
回答:馬場直子さん オムツの中は高温多湿なので、むれたり、ふやけたりしやすくなります。ふやけて弱っているところに、うんちやおしっこがついたり、それを取るときに擦れたりするので、どうしても炎症を起こしやすくなります。
―― 布オムツは赤ちゃんのデリケートな肌にいいのですか? 使い続けても大丈夫ですか?
気づきやすくオムツを替えやすい。動きが激しくなると刺激になることも
回答:馬場直子さん 布オムツにはメリット・デメリットがあります。布オムツは紙オムツほど吸収力がないので、おしっこやうんちをしたときに、気持ちが悪くてすぐに泣いたりぐずったりします。そのため気づきやすく、すぐにオムツを替えられるのがよい点です。ただ、気づかなかった場合は、うんちやおしっこがついたままになるので、かぶれやすくなります。 もう少し大きくなると、ハイハイなどで動きが激しくなります。すると、オムツがずれやすくなり、擦れて刺激になることがあります。また、漏れないようにオムツをきつくしめて擦れやすくなることもあります。
―― 布オムツを使い続けても、清潔を保てるでしょうか?
洗っていれば問題ない。布が劣化して刺激になる可能性はある
回答:馬場直子さん きちんと洗っていれば、衛生面で問題はありません。一方で、何度も洗っていると、布が劣化してゴワゴワになり、それが刺激になってかぶれの原因になる可能性があります。
―― 紙オムツを使った場合の注意することはありますか?
ここで、上手なおしりケアのポイントを育児の大ベテラン、助産師の布施明美さんに教えてもらいました。
上手なおしりのお手入れ法
解説:布施明美さん(助産師)
オムツの中をこまめにチェック
まず大切なのは、オムツの中をこまめにチェックすることです。
ぬれていたり汚れていたりすると、オムツかぶれの原因になります。こまめにチェックして、すぐにオムツを取り替えましょう。
おしり洗いは丁寧に
うんちやおしっこで汚れたおしりは、シャワーで洗い流すのがいちばんです。
せっけんの泡でやさしく洗い、38℃くらいのお湯で汚れを落とします。洗ったあと、おしりをお湯に2~3分つけてあげると血液循環がよくなり、赤ちゃんはリラックスします。
でも、毎回シャワーは大変ですよね。そんなときは市販のスプレー容器に水を入れ、洗い流す方法がおすすめです。
スプレーでおしりをぬらし、柔らかいコットンなどでやさしくおさえ拭きをします。使ったコットンをオムツに丸めてしまえば後処理も簡単です。
このとき、ぬらしたコットンでも大丈夫です。乾いた布や紙でこすらず、水分で汚れを落とすことを心がけましょう。
保湿が大切
そして、保湿することがとても大切です。
保湿剤はおなかからおしりの穴まで、オムツでかくれる全ての部分に塗ります。ティッシュペーパーが張り付くぐらい、たっぷり塗って大丈夫です。
保湿剤の上にワセリンを塗るとよりよい
馬場直子さん 保湿とは水分を補うことですが、オムツの場合はそれだけではありません。保湿によって肌を保護する作用が高くなります。保湿剤を塗った上に、ワセリンのような油分のあるものでコーティングすると、よりよいでしょう。コーティングによって、直接おしっこなどがつかず、肌を守ることができます。 何度も保湿剤とワセリンを塗るのは大変なので、両方を塗るのはお風呂上がりと朝、1日2回ぐらいにしてもよいと思います。
―― 保湿し過ぎると、むれて、かぶれやすくなりませんか? お尻の穴まで塗るのも驚きでした。
紙オムツが水分を吸ってくれる。たっぷり塗るほうが効率よく守れる
回答:馬場直子さん 紙オムツが水分を吸ってくれます。守るという点では、たっぷり塗っておいたほうが、効率よく肌を守ってくれます。おしりの穴の付近は、うんちをするときなどに刺激が加わるところです。しっかり保湿しておきましょう。
(お子さん3か月のママ)
強い赤み、ブツブツ、ジュクジュク、ただれはすぐに受診を
回答:馬場直子さん ほんのり赤くなったばかりであれば、市販のオムツかぶれの薬などを塗って、1~2日様子を見てもいいでしょう。だんだん赤みが強くなったり、ブツブツしたり、むけてジュクジュクしたり、ただれていたり、そういった症状が出てきたらすぐに受診してください。 特に、細かいブツブツがたくさんできて、シワなどの赤みが強いときは、カンジダ症かもしれません。腸や皮膚にいるカンジダ菌(常在菌)が高温多湿のオムツの中で増えて発症します。皮膚科を受診し、殺菌するような塗り薬で治療が必要です。
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