海に川にプールに、水あそびの楽しい季節。水辺の事故は絶対に防ぎたいですよね。子どもと楽しく安全に水あそびするための情報を紹介します。
講師: すがわらえみ(水泳インストラクター/NPO法人 AQUAkids safety project 代表) 親子向け水辺の安全教室などの活動を続けている。
撮影協力:神戸フィルムオフィス・しあわせの村
水の事故が起こりやすい場所
※東京消防庁「救急搬送データ」に基づき消費者庁が集計したものを加工
水の事故が起こりやすい場所は、年齢によって違います。2歳以下は自宅のお風呂が最も多く、3歳以降はプールや川が増え、7歳以降は川がもっとも多くなります。
万が一に備えて知っておきたい心肺蘇生法などについて紹介します。
事故予防の鉄則
水の事故を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか? 坂本昌彦さん(佐久医療センター/小児科医)に予防の鉄則を聞きました。
坂本昌彦さん いちばん大事なことは、子どもだけで水場に行かせないことです。 2つ目はライフジャケットを着用すること。自然水域では、ライフジャケットが非常に大事です。体に合ったものを正しく装着してください。股下ベルトを通して脱げないようにロックしましょう。 3つ目は、監視役を明確にして必ず大人がそばにつくこと。特に、複数の家族で川でのバーベキューなどをしていると、「誰かが見てくれているだろう」と思って、誰も見ていないことがありえます。必ず見守る役割の大人をつけましょう。 最後に、心肺蘇生法を知っておくことが非常に大事です。
もしも自分の子どもが溺れたら
もしも自分の子どもが溺れたら、どうしたらいいのでしょうか。
まず、まわりの人に「我が子が溺れました、誰か協力してください」のように声をかけ、応援を呼んでください。また、「AEDを持ってきてください」とお願いしておきましょう。
119番に緊急通報します。海の事故の場合は、118番です。
意識・呼吸を確認します。ふだん通りの呼吸がない場合は、心肺蘇生を行います。
※電話先の指示に従って落ち着いて行動しましょう
心肺蘇生法
心肺蘇生法は、学ぶことで身につけられます。
まず、あご先を持ち引き上げながら頭を後ろにそらして、気道を確保します。
鼻をつまみ、口を大きく開きます。
息を入れて人工呼吸をします。2回行ってください。
続いて胸骨圧迫します。胸の真ん中に親指の付け根を当ててください。
体重をのせるようにして、胸の厚さの約1/3が沈むくらい押します。
※およそ1歳~15歳の場合
※緊急時のみ行い、子どもで練習することは絶対にしないでください
人工呼吸2回、胸骨圧迫30回を交互に繰り返します。
押すテンポは「パプリカ」の歌のテンポ(1分間に100~120回のテンポ)と同じぐらいと覚えておきましょう。
※心肺蘇生は、必要に応じてAEDを正しく使用しましょう
二次災害を防ぐ
もしも子どもが溺れた場合、二次災害を忘れてはいけません。
坂本昌彦さん(佐久医療センター/小児科医) 溺水は、二次災害がとても多い事故です。特に、自分の子どもが流されていると、親は飛び込んで助けようとします。でも、それはとても危険です。そのまま救助者が亡くなってしまった割合は約15%で、非常に高いのです。
二次災害を防ぐためには、まずは親子でライフジャケットを着用します。子どもより下流や深いほうに大人がいることなども工夫のひとつです。
もしも溺れたときは、決して飛び込まず、大きな声で助けを求め、すぐ119番に緊急通報します(海の事故は118番)。浮き輪やペットボトルなど、浮くものを投げるのも有効です。
すがわらえみさん 命を守る方法など、事前に安全の知識を持ち、しっかり対策して水辺を楽しんでください。
まいにちスクスク「楽しく安全に水あそび」の番組記事
- (1)水あそびデビュー
- (2)親子で約束
- (3)もしものときの心肺蘇生法
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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