子どもがあいさつをしない、どうしたらいい?
息子があいさつできなくて困っています。例えば、保育園の送迎のときの「おはようございます」「さようなら」が言えません。「あいさつをしてほしい」と話すと、その場では「わかった」と言うのですが、いざ知り合いの人に会うと、そっぽを向いてしまいます。
あいさつをしてほしいのですが、怒りたくもありません。無理やりにでもさせたほうがいいのか、そのままでいいのか迷っています。こんなとき、親はどうすればいいのでしょうか?
(お子さん5歳6か月のママ)
あいさつをしてほしいのですが、怒りたくもありません。無理やりにでもさせたほうがいいのか、そのままでいいのか迷っています。こんなとき、親はどうすればいいのでしょうか?
(お子さん5歳6か月のママ)
娘は、あまりあいさつをしなかったのですが、最近するようになりました。習いごとに行くと必ず寄るパン屋があるのですが、そこでおやつを食べた後に、「ありがとうございました」と言って娘がトレイを返すようにしていたんです。お店の人も「ありがとう」と言ってくれるので、それがきっかけになったのかもしれません。
(お子さん5歳5か月のママ)
(お子さん5歳5か月のママ)
あいさつは大人の文化
回答:柴田愛子さん あいさつは、大人の文化だと思います。子どもの自然に任せておくと、あいさつはなかなか出てきません。園の子どもに「おはよう」と声をかけたら、「大人はあいさつが好きだよね」と言われたこともあります。「あいさつなしで、どうしてるの?」と聞いてみたら、「『遊ぼうぜ!行くぞ!』で終わりだよ」と言うんです。 中には、あいさつ代わりに蹴ってくる子もいます。「イテテッ、このあいさつは痛くて嫌です」とは言うけど、その子にとっては「来たね、待ってたよ」の代わりだったりする。だから、「あなたのやり方、案外好きだよ」と言ってやりましたよ。
5歳ごろはあいさつを知っていても、自分の流儀になっていない
回答:柴田愛子さん 不思議なことに、6歳ごろになると、大人の世界の価値観や習慣をまねて、あいさつするようになります。5歳ぐらいまでは、大人があいさつすることを知っていても、自分の流儀にはなっていません。だから、あいさつには少し勇気が必要で、ハードルが高いわけです。“知っている”から、“できるようになる”までには、時間がかかるように思います。
期待されると、緊張してできなくなることも
回答:坂上裕子さん まわりの人たちが自分にあいさつを期待していると感じて、しないといけないと思うほど緊張してしまい、できないこともあります。そこで怒られてしまうと、あいさつでコミュニケーションをとること、人との関係を作ることに、ネガティブなイメージを持ってしまうかもしれません。
―― 子どもがあいさつをするために、親ができることはありますか?
子どもの背中に手を添えて、代わりにあいさつする
回答:坂上裕子さん お子さんのように固まってしまう場合は、無理にあいさつさせるのは酷だと思います。例えば、子どもの背中に手を添えてあげながら、代わりに「おはよう」とあいさつしてみてください。それだけでも、子どもが自分であいさつしているような気持ちになれることもあります。
「できたこと」を伝えると、その行動をとりやすくなる
回答:坂上裕子さん 大人は、子どもができないことにばかり注目しがちです。でも、できないことよりも、できたことに注目されるほうが、子どもはその行動をとりやすくなります。例えば、子どもが小声で「おはよう」と言ったときに、「『おはよう』って言ってたね」と伝える。すると、「頑張ったことを、周りの大人がわかってくれている」「次はもうちょっと大きい声で言ってみようかな」と思うかもしれません。 いつか、あいさつをして人から返事が返ってくるのが「気持ちいいな」と感じて、そんなやりとりが「楽しい」と、子ども自身が思えるような日がくると思います。
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