子どもの予防接種(3)予防接種の副反応
パパ・ママの「子どもの予防接種」の疑問に、小児科医の松永展明さんが答えます。
講師: 松永展明(国立国際医療研究センター病院/小児科専門医)
予防接種の副反応ってどんなものがあるの?
回答:松永展明さん 予防接種の副反応は、ほとんどが軽度なもので、局所(接種した場所)の腫れや発熱などです。ただし、まれにアナフィラキシーや髄膜炎などの重度な副反応もあります。接種後の体調で心配なことがあれば、医師に相談しましょう。
接種後に熱が出て心配… どうしたらいいの?
回答:松永展明さん まずは、ミルク・母乳をしっかり飲めているか、機嫌がとても悪くないかを確認してください。すやすやと寝ていて、少し熱が出ているくらいであれば、様子を見ていても大丈夫でしょう。 一方で、高熱が出たり、本人の体調が悪かったりする場合は、ワクチンの副反応以外に、そのときかかった他の感染症の可能性もあります。病院を受診して、医師に相談してください。
予防接種で熱が出たとき解熱剤を使ってもいい? 薬で熱を下げると免疫がつかない?
回答:松永展明さん 解熱剤を使っても、ワクチンの効果は変わりません。子どもがつらいときは、その症状に合った薬を使うなど、対処するほうが子どもにとって楽だと思います。 発熱時は、わきの下や首元を少し冷やしてあげると、本人も気持ちよく、熱も下がります。子どもが快適な状態にするのがよいでしょう。子どもが寒がっている場合は、あたためてあげてください。 ※解熱剤が使えるのはおおむね生後6か月以降。大人用の薬は使用できません。
子どもが注射を嫌がる。どう説明したらいいの?
回答:松永展明さん 大人も痛いことは嫌ですよね。子どもも同じように注射は嫌だと思います。「この注射をすると命が守られる」など、予防接種の意味を、その子がわかる形で説明してあげるのが大事です。また、痛いことを我慢して接種したあとは、ほめてあげましょう。
ワクチンについてネット検索すると不安になる情報も… どう調べたらいいの?
回答:松永展明さん 子どものために情報を調べるのはすばらしいことだと思います。ただ、情報過多な現代では正しくない情報・悪意のある情報が含まれている場合もあります。まずは、医師に直接聞くことがとても大事です。 例えば、主治医に参考にできるサイトを紹介してもらう方法もあります。そこで情報を調べて、わからないことや疑問に思うことがあったら、医師とコミュニケーションをとって確認するとよいでしょう。
小児科医からパパ・ママへのメッセージ
松永展明さん 少し大きな話になりますが、人類は誕生してから常に感染症と闘っています。そして、感染症によって多くの命が失われてきました。 予防接種に該当する病気が少なくなっているので、ふだん気にすることが少なくなっているかもしれません。でも、接種が少なくなると、その病気がまた出てきて命を落としてしまうこともあります。 潜在的なリスクから身を守る意味でも、体を守ることができるワクチンを接種していくことが大事だと思います。
ワクチンがどんな病気を防いでいるのか、なぜ接種するのかなど、正確な情報を知ることが病気から子どもを守ることにつながるのかもしれません。
まいにちスクスク「子どもの予防接種」の番組記事
- (1)予防接種ってなに?
- (2)予防接種を受けるタイミング
- (3)予防接種の副反応
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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