赤ちゃんの泣きとお世話(2)何をやっても泣きやまない
理由がわからない赤ちゃんの泣きには困ってしまいますよね。実は、赤ちゃんの泣きは月齢が進むにつれて理由が変化していくのです。泣きの理由やお世話のポイントについて教えてもらいました。
講師: 岩佐寛子(東京都助産師会/助産師)
専門家: 黒田公美(理化学研究所 脳神経科学研究センター/医学博士)
生後2週間から5か月までの泣き
生後2週間から5か月までの赤ちゃんには、何をやっても泣きやまない泣きが見られます。親は「私がうまくだっこできないから」のように自分を責めがちですが、決して親のせいではありません。「そんな時期なのだ」と受け止めてみましょう。
パープルクライング
何をやっても泣きやんでくれない泣きは、「パープルクライング」と呼ばれることがあります。赤ちゃんの泣きの特徴を表した英語の頭文字(PURPLE/パープル)をとったものです。
【P】Peak of Crying
生後2週間ごろにあらわれ、2か月ごろピークを迎え、そのあとは徐々に和らいでいきます。
【U】Unexpected
泣いている理由を予想できません。
【R】Resists soothing
さらに、なだめることもできません。
【P】Pain-like face
たとえ痛くなくても痛そうな表情で泣きます。
【L】Long lasting
長く続くといわれ、トータルで1日5時間泣くことも。
【E】Evening
とくに午後から夕方にかけてよく泣くといわれています。
「心配な泣き」を見極めるには?
長い時間、赤ちゃんがつらそうに泣いていると、「何か病気が隠れているのでは?」と心配になりますよね。心配な泣きを見極めるためのヒントを医学博士の黒田公美さんに教えてもらいました。
ふだんと違うところをみる
赤ちゃんがひどく泣いてしまって、あやしても泣きやまないときは、ふだんと違ったところがないか確認しましょう。
まずは、体温を測って熱がないかをみます。
次に、体に発疹がないかを見ておくといいでしょう。
中耳炎の場合は、耳を触る行動がみられます。
ふだんと違う様子がみられたら、医療機関を受診してください。
ふだんとの違いが見当たらないとき
病気の可能性が見当たらないのに泣きやまない場合には、「だっこして5分間歩く」という方法をためしてみましょう。
この方法は、特に生後1~7か月の赤ちゃんに有効です。ポイントは赤ちゃんを泣きやませようとして歩くのではなく、一定のリズムで淡々と歩くこと。部屋の中を回転しながら歩くといいでしょう。
※生後1か月未満の赤ちゃんや、筋力が弱いなど心配がある赤ちゃんには行わないでください
※部屋の中を歩くときは、つまずかないように足元の安全を確保しましょう
赤ちゃんが泣きやまないときは
こういった方法をいろいろ試してみても泣きやまないときは、安全なところに寝かせて、しばらく離れることも一つの方法です。
赤ちゃんの泣きにつきあっていくために
岩佐寛子さん はじめての育児は、一人で乗り越えることも、夫婦で乗り越えることもとても難しいものです。周りの方の力を借りることも大切です。子育て支援センターや、地域に頼りになる助産師がいると思います。ぜひ一緒に乗り越えてほしいと思います。地域の助産師には、授乳だけではなく、赤ちゃんの不調、お世話のしかたや親のメンタルの相談もできます。家族以外にも頼れる人を見つけておくことが大切です。
まいにちスクスク「赤ちゃんの泣きとお世話」の番組記事
- (1)不快をとりのぞく
- (2)何をやっても泣きやまない
- (3)夜泣き
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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