親から虐待された記憶はないのですが、ちょっとしたことで子どもにイライラして、感情がたかぶって手をあげてしまったことがあります。初めて手をあげたのは上の子が2歳のころで、何度注意しても危ないことを繰り返して、まだ言われてわかる年齢でもなく、カッとなってしまいました。頭やほお、なかなか聞かないときはお尻をたたくこともありました。そのときは、自分の心のもやが一瞬少なくなったように思えますが、「どうしてこんなことをしてしまうのか… 最低な親だ」と感じてしまいます。
今は、手をあげないように気をつけていますが、怒りの方向が言葉に変わってきました。大きな声で、「何やってるの!いい加減にして!」とどなってしまいます。実は、パパも食事のマナーなどに厳しく、手は出しませんが、机をたたくなど激しく怒ります。そのためか、子どもが萎縮してしまい、怒られないようにうそをつくようになりました。
不妊治療をして、結婚して7年目にできた子で、生まれてきてくれて本当にありがたく、尊い存在です。それなのに、心穏やかに見守れなくて、どうしてなのかわかりません。
(お子さん4歳4か月・1歳3か月のママ)
今は、手をあげないように気をつけていますが、怒りの方向が言葉に変わってきました。大きな声で、「何やってるの!いい加減にして!」とどなってしまいます。実は、パパも食事のマナーなどに厳しく、手は出しませんが、机をたたくなど激しく怒ります。そのためか、子どもが萎縮してしまい、怒られないようにうそをつくようになりました。
不妊治療をして、結婚して7年目にできた子で、生まれてきてくれて本当にありがたく、尊い存在です。それなのに、心穏やかに見守れなくて、どうしてなのかわかりません。
(お子さん4歳4か月・1歳3か月のママ)
生まれてきてくれたことと子育ては別と考える
回答:大日向雅美さん 不妊治療や妊娠中のトラブルなど、いろんな山を越え、海を越え、谷を越えてきたのだから、生まれてきてくれただけで、みんなうれしいですよね。でも、その気持ちと子育ては別のことだと思います。生まれてくるまでの大変さには、ひとまずピリオドを打ちましょう。 子どもは自分中心で、泣きたいときに泣き、ひっくり返って、親がどんなに疲れていてもおかまいなしで散らかします。イライラしないわけはありません。「私は母親として失格ではないか」と堂々巡りしながら、親も親となっていきます。そんな親の姿を見ながら、子どもは育ってくれますよ。
現実を言葉にできたことはすばらしいこと
回答:大日向雅美さん 子どもが「うそをつくようになった」とみるのではなく、「うそをつかせた」と思ったほうがいいかもしれません。うそを言っても「いいのよ」と笑ってあげられるぐらいの余裕が持てるといいですね。そうなるまでに、まずは自分の現実をきちんと言葉にできたことを評価してください。すばらしいことだと思います。
心の余裕のバロメーターを確認する
回答:倉石哲也さん 「自分の思う子育てをしたい」「自分がしっかりしないといけない」など、思いや責任感が強いほうが、イライラして自分自身を責めてしまうようです。その背景にあるのは、心の余裕のなさです。余裕がなくてイライラしてしまう。そのため、今どれぐらい余裕があるのか、自分の心のバロメーターを確認してみましょう。「少し余裕がないな」と感じるなら、子どもを預かってもらうなど、子どもと距離をとることも大事です。
親の関心を引きたいなど、子どもの行動には意味があることも
回答:倉石哲也さん 子どもが「悪いこと」を繰り返しているとき、親に関心を持ってほしいと思っている場合もあります。例えば、親が下の子にかかりきりになっていると、「こっちを向いてほしい」と考えて行動する。そんなときは、「今日どれぐらい上の子を褒めたかな」と振り返ってみるだけでも、子どもとの関わり方が変わるでしょう。
「カッとなって手をあげる」といった行動をしないような訓練はありますか?
解決策を求めるより、まずは原因を探すこと
回答:大日向雅美さん 何かの訓練などで、すぐに答えが出る・解決すると思わないことです。解決を求めて何かを探すよりも、まずは原因を探したほうがよいかもしれません。例えば、大変な子育てをしている中で、10~30分でもホッとできる時間がないことが原因かもしれません。原因に対処するほうが近道で、自分自身も救われると思います。自分をいたわることも大切です。
仲間をつくって愚痴を言い合うのも大事
回答:倉石哲也さん 訓練よりも、愚痴を言い合えるような仲間をつくるほうが大事だと思います。「もうイライラしてたまんない」「やっぱりあなたも?」と話すことが支え合いになって、心に余裕をもたらすこともあります。コロナ禍で直接会うのが心配かもしれませんが、落ち着いたときはぜひ外に出て、仲間づくりをしていただけたらと思います。
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