親のサポートがなければ働けない… 気持ちが複雑

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2022/10/29

出典:すくすく子育て[放送日]2022/10/29[再放送]2022/11/03

2歳の息子を育てています。夫婦共働きで、2人とも朝早く家を出ないといけません。保育園に預けられる時間はそれより遅いので、子どもの食事や着替えなどを親に頼っています。夕方6時に保育園にお迎え。それから帰宅して、休む暇なく子どものごはんを作ります。自分は食べる気になりません。親が心配して夕飯時にも来てくれることがあります。親はいつも子どものことを気にかけてくれるけど、このまま頼っていていいのか不安です。
(お子さん2歳のママ)
保育士として働いています。子どもを預けている保育園には延長保育がありますが、できるだけ子どもたちが家族と過ごす時間を優先したくて、午後4時のお迎えを母に頼んでいます。親のサポートは不可欠です。でも、親にはバスで片道40分ほどかけて来てもらっています。親のサポートがなければ働けず、ありがたい気持ちと申し訳ない気持ちが入り混じって複雑です。
(お子さん5歳・2歳のママ)

親に「申し訳ない」という気持ちを感じさせない仕組み作りが必要

回答:大日向雅美さん

「ありがたい気持ち」は感謝ですね。身近に子育てを手伝ってくれる人がいるのはありがたいことで、無理のない範囲で助けてもらっていいと思います。
一方で「申し訳ない気持ち」を感じるのは、どこかに無理があるためです。祖父母にも、祖父母の人生や生活があります。予定があっても、孫のために時間を使ってくれているのかもしれません。あるいは体力が落ちているかもしれない。それがわかるから、申し訳ないという気持ちになる。
でも、これを個人的な気持ちとして考えてはいけません。社会が、いろんな仕事で働いてるママ・パパたちに「申し訳ない」と思わせないような、仕組み作りが必要だと思います。
子どもを誰かに長時間預けると、何か影響がありますか?

長時間保育の悪影響はない。家での親子の関わりが重要

回答:柴田悠さん

最近、日本でも研究結果が出てきています。例えば、2010年・2012年に発表された論文によると、長時間保育と通常保育の子どもたちを追跡調査したところ、発達や健康に悪影響はみられないという結果が出ています。保育の時間そのものが問題ではありません。家での親子の関わりが重要になります。
もちろん、保育の質も重要ですが、その点については各自治体・国の制度で整えられています。あとは長時間保育のあと、子どもと接する家での時間や土日祝日の時間を、いかに親が余裕を持って過ごせるか、しっかり関わることができるかが大事になります。

「ごめんね」ではない言葉で伝える

回答:大日向雅美さん

私が子育てしているとき、ときどき「遅くなってごめんね」と言ってしまうことがありました。「ごめんね」という気持ちがあっても、「こういう仕事ができたよ」といった言葉のほうがいいように思います。親は、遊んでいて遅くなったわけではないですよね。「こういう仕事ができて、こんなふうに喜んでもらえたよ。保育園でよくがんばったね」と伝えていると、子どもは「大丈夫だよ。楽しかったもん。がんばれたよ」となっていく。何気ない会話でも、子どもの心を強くすることができると思います。
今の園で働くまでに、10回ほど採用面接に落ちてきました。いつも「子どもが体調悪いときはどうするのですか?」と聞かれました。その考えがわからないわけではないのですが、だんだん「子どもがいたら働けないのか」と思えてきました。そんなときに、奇跡的に今の園に出会えました。面接で、そのことを聞かれなかったのははじめてでした。
(お子さん5歳・2歳のママ)

保育士の働く環境を整えていくことが重要

コメント:柴田悠さん

保育士の仕事はとても大変だと思います。働きながら子育てする人をサポートするので、長時間労働になりやすい。例えば、働いている親が迎えにきて、子どもたちが帰ったあとに、仕事を終えられるので、夜も遅くなりやすいでしょう。働く人たちをサポートする保育士の働く環境をきちんと整えていくかが、社会全体のためにはとても重要だと思います。

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