はさみや箸を使う、字を書くなど、手や指先を器用に使うには、小さいうちから手や指を使ってたくさん遊ぶことが大切です。体の動きの専門家と遊びの達人に、身近なもので楽しく手先を使う遊びを教えてもらいました。
講師: 山口裕美子(おもちゃコンサルタント)
専門家: 笹田哲(作業療法士)
※紹介している年齢や発達の段階などは目安です。子どもの遊ぶ様子を見ながら、無理に手を使わせたり、練習させたりしないようにしましょう。
スポンジ
まずはスポンジです。まとめ買いしておくと、たくさん遊べます。
木の積み木だとできないような積み方もできます。摩擦があるので、斜めでも積めます。
大きいものを両手で持ったり、うでを上げる動きもあります。軽いので持ち上げることができて、頭に乗せても大丈夫です。
親指、人さし指、中指でつまむ動きもあります。軽くてやわらかいので、崩れても痛くなく、大きな音も出ません。
崩れないようそっと重ねる遊びは、食器をやさしく机に置くなどの動作へとつながります。
スポンジ飛ばし
スポンジは半分に折ってつまむと、はじき飛ばすことができます。かたい方を内側にしてつまみましょう。
テーブルの上において、人さし指で端を押すと、ウサギみたいに「ぴょん」と飛びます。押すとよく飛ぶ場所や力加減を探りましょう。
スポンジ飛ばしは、スイッチをぎゅっと押す、スナップボタンなどパチンと留めるなどの動きにつながります。うまく飛ばなくても試してみることが大事です。飛ばして箱に入れるなどのゲームもおすすめです。
ペットボトルキャップ飛ばし
ペットボトルのキャップを指でつまんで、パチンとはじくと飛んでいきます。机の上で遊ぶととてもよく飛びます。
※ペットボトルのキャップは誤飲しないように注意しましょう
つまむことがまだできない子どもは、上から押してみましょう。上から押すだけで、動かすことができます。
洗濯ばさみブロック
続いて、洗濯ばさみをブロックにして遊んでみましょう。
カラフルな洗濯ばさみを出すだけで、子どもたちは自由に遊び始めます。
きゅっとつまむ・離す動作を繰り返すことは、巧みに手や指を使うことにつながります。
つなげて形をつくったり、色を組み合わせたり、服に付けても楽しいですよ。
笹田さんからのポイント「姿勢」も大切
ここで、子どもの体の動きと発達にくわしい笹田哲さんからのポイント。
「器用になる」ことは、手や指だけに目が行きがちです。実は、体の中心部の体幹がしっかりしていることで、手先の機能が高まります。背中と腰をぴんと伸ばす姿勢のほうが、手を動かしやすくなるのです。
立つ、椅子に座る、床にしゃがむなど、子どもは自分が遊びやすい体勢になりますが、最低限、子どもが猫背になっていないか気をつけてあげましょう。
保存袋迷路
ペットボトルのキャップとジッパー付き保存袋でも、手先を使って遊べます。
ペットボトルのキャップと、好きな絵を描いた紙を用意します。キャップには、かわいい絵を描いた紙を貼っておきましょう。
これらを、ジッパー付きの保存袋の中に入れます。
袋の中のキャップを、動かしてみましょう。動物(キャップ)をかわいく散歩させるような遊びができます。
中に入れる紙には、地図や色あわせなど、いろいろな絵を描いてもいいですね。おもちゃのミニカーや、アイスクリームのスプーン、ボール紙などの薄いものを入れると、動かすことの難易度がアップして、楽しいですよ。
袋の中では動きに制限があり、なかなか上手に動かせません。片手で押さえて、手のひらをすべらせる、指を使ってずらす、といった両手の協調が必要です。目でしっかり見て、工夫しながら手や指を使う、目と手の協調なども自然にできるようになります。日用品だけで、手を使ういろいろな遊びができますよ。
山口裕美子さん 楽しく手指を使って遊ぶことで、自然にいろいろな動作ができるようになります。ふだんの生活の中でも、お菓子の袋をひねって小さくして捨てるなど、そんな生活習慣をつけてみるといいかもしれません。
まいにちスクスク「楽しく遊んで手先を器用に!」の番組記事
- (1)紙コップ・牛乳パックを使った遊び
- (2)タオルを使った遊び
- (3)身近にある日用品を使った遊び
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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