自然あそびは、身近なところでできる?
(お子さん3歳4か月のママ・パパ)
自然あそびは、身近なところでできるのでしょうか? 多田多恵子さんが、近所の公園を例に、どこでも楽しめる「自然発見のポイント」を教えてくれました。
どこでも楽しめる自然発見のポイント
最初のポイントは、「しゃがんでみる」です。地面にはいろいろな発見があります。例えば、木の実が落ちていたりします。
続いてのポイントは、「においをかいでみる」。例えば、ひろったクスノキの実をつぶして、においをかいでみましょう。「タンスのにおい」だと思うかもしれません。クスノキの「ショウノウ」という成分は、昔から防虫剤に使われているんです。
拾ったものを入れるバッグを持っていくのもおすすめです。
3つ目のポイントは、「植物で遊んでみよう!」です。今回は、植物を使ったお絵描きをしてみましょう。
まずは、絵を描く材料になる草花を見つけます。草むらも目を凝らせば、いろいろな花が咲いていることがわかります。
※植栽してある植物はとらないようにしましょう
場所を変えて、みんなでお絵描きです。花びらのいろんな色を楽しんでみましょう。
ツユクサを指でつぶして紙にすりつけると、こんな色になります。
ピンクのオシロイバナも、きれいな色が出ますよ。
子どもは、植物でさまざまな色が出せることを発見すると、自分で材料を探しに行くこともあります。ひとつの発見が、次の「やってみたい」につながっていくのです。
実物に触れることが新しい発見のカギ
回答:多田多恵子さん ふだん遊んでいる公園も、少し見方を変えるだけで、たくさんの発見と驚きに満ちています。例えば、葉っぱをなでてみるだけでも楽しい。実物に触れることが新しい発見のカギになります。 試しに、ヘクソカズラをちぎってにおいをかいでみましょう。実際にかいでみると、とても強いにおいであることがわかります。ヘクソカズラは、このにおいで身を守っているのです。葉っぱをちぎってみると、いろいろと楽しいことがありますよ。 ※植物によって皮膚がかぶれるものもあります。遊んだ後は手を洗いましょう。
スマートフォンは、自然観察にも役立つ
回答:多田多恵子さん 自然観察をよりおもしろくするために、スマートフォンが役立ちます。 小さな花や虫を見たいときは、カメラのズーム機能で拡大したり、写真に撮影したりできます。 拡大しても鮮明に見える、虫眼鏡の役割になるわけです。 さらに、名前を知りたいときは「画像検索機能」などで調べることもできます。最近では、撮影するだけで候補をあげてくれる無料のアプリもあります。出てきた名前で、あらためて調べたり、図鑑を見てみるのもいいですね。
名前がわかると身近に感じる
回答:多田多恵子さん 公園にあった草花も、名前がわかってくると、まるで「お友だち」のように感じられます。そうすると、植物のほうから語りかけてくれるような気がして、より楽しくなっていきます。
子どもの自然体験はそれを意識するかしないかがポイント
回答:大豆生田啓友さん 自然が豊かなところが、必ずしも自然との関わりが多いわけではありません。豊かであっても、子どもに使われていないこともあります。本来、子どもは自然が好きなので、自然を意識するかしないかが自然体験のポイントだと思います。
自然と関われる環境を大事にする園もある
回答:大豆生田啓友さん 幼稚園・保育園・こども園でも、積極的に子どもが自然に関われて、心がワクワクするような環境を大事にしようと考える園があります。 例えば、草花で自由に遊べる環境です。草花に触れたり、においをかいだり、口に入れてみたり、いろんなことを五感で経験できます。 花を使った色水あそびもあります。絵具がなくても、草花からとった色で絵が描けます。どうやったらきれいな色が出るかを試していると、本当におもしろいわけです。草花に親しみを感じていくことにもつながります。 こちらは、人工的に作られた山「築山(つきやま)」です。子どもたちは登ったり・降りたり、オニごっこの舞台にしたりして遊びます。自然は体を使う場としても大事なのです。 子どもたちは、水たまりや、泥・砂あそびも大好きですよね。人が育つ上では、こういったグジャグジャドロドロの経験から、だんだん秩序へと変わっていくことが大事なのです。神経質にならず、体全体でぶつかるような意欲にもつながります。 野菜を育てることもいいですね。自分で育てること、みんなで一緒に収穫することの喜びがあります。野菜が嫌いな子でも、みんなでつくった野菜は「おいしい」と言うのです。 野菜を育てるための畑がなくても、プランターひとつからでもはじめられます。そこに種や苗を植えるだけで、生態系が生まれるのです。
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