日常に潜むキケン(2)就寝中の事故の予防法と対処法
好奇心旺盛な子どもたちの思ってもみない行動に、ヒヤリとする場面はありませんか? 子どもの事故を防ぐ研究をしている大野美喜子さんに、家の中で起きる、特に命の危険がある事故の予防と対策について教えてもらいました。
講師: 大野美喜子(NPO法人 Safe Kids Japan)
就寝中の事故
就寝中の事故は、およそ9割が1歳以下で発生しています。赤ちゃんは寝て過ごすことが多く、顔に物がかぶさっても自分の力で抜け出すことが難しいため、それが原因で窒息する事故も起きています。
0歳児に特に多いのが、タオル、掛け布団、クッション、ぬいぐるみなどのやわらかい物が、寝ている間に顔に覆いかぶさり窒息する事故です。
ほかにも、寝返りができない赤ちゃんが、よだれかけで首がしまる事故や、うつ伏せで寝ていて顔が埋まって窒息する事故も多く報告されています。
大人用のベッドから転落して大きな事故につながることもめずらしくありません。寝室での転落や窒息は、いつ起こるかわからないので、どういった事故があるのか知っておくことが大事です。
ベッドから転落する事故では、壁とベッドの隙間に転落して顔が挟まり窒息、寝返りでベッドから転落して頭蓋骨を骨折などが報告されています。
でも、寝ている子どもをずっと見ているのも難しいものです。どんなことに気をつければいいのでしょうか。
就寝中の窒息事故を防ぐポイント
乳幼児は、大人用のベッドではなくベビーベッドに寝かせることが大切です。マットレス・布団は、なるべく硬いものを選んでください。また、枕元に、ぬいぐるみ・洋服・タオルなどを置かないようにしてください。
転落事故を防ぐポイント
ベビーベッドに寝かせたら、柵がロックされているか、必ず確認しましょう。
下段の収納扉のロックも必ず確認します。
次に、マットレスと柵の間に隙間がないか確認します。小さい子どもは、隙間に挟まって窒息する危険性があります。
収納扉とマットレスの間にできた隙間に挟まる事故も起きているので、確認しておきましょう。
ベビーベッドではない場合は、壁とマットレスの間に隙間がないことを確認してください。
大人用ベッドで幼児用のベッドガードを使うときも注意が必要です。ベッドガードとマットレスの間に挟まり、子どもが亡くなった事故も起きています。
※幼児用ベッドガードは1歳6か月未満の子どもは使用禁止です
もしも異変に気づいたら
もしも、子どもの意識がない・顔色が悪いといった異変に気がついたら、すぐに119番に電話してください。
少し気になることがある場合は、消防庁のアプリ「全国版救急受診アプリ Q助」や、小児科学会のホームページ「こどもの救急オンライン」などを確認しましょう。緊急度に応じて必要な対応が表示されます。迷ったときは活用してみましょう。
大野美喜子さん 子どもの安全な睡眠環境を整えることは、とても大事なことです。寝ているとき、まわりにやわらかい物を置かない、顔の上に洗濯物を干さないなど、そういった対策が重要になります。
まいにちスクスク「日常に潜むキケン」の番組記事
- (1)誤飲と窒息の予防法と対処法
- (2)就寝中の事故の予防法と対処法
- (3)水回りで起こる溺水事故の予防法と対処法
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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