親が怒ったとき、子どもはどう感じているの?
ママ・パパが怒ったとき、子どもはどう感じているのでしょうか?
今回、保育施設の協力で、子どもたちの本音を聞き出してもらいました。
まず、子どもたちに「親に怒られる?」と聞くと、ほとんどの子から「怒る」と声があがりました。怒られたときのことを聞いていきます。
―― どういうふうに怒られるの? 「うちのママはすごく怖い!」 「世界中の子どもが全員泣いちゃうぐらい」 「お父さんの怒り方は大胆!」 「ここにきている全員が泣いちゃうよ」 ―― どんなことで怒られているの? 「ちょっと遅く起きたから、『もうこんな時間!』、それからごはん食べるの遅くて、『早く早く』って怒られた」 ―― だいたい、親は遅いと怒るんだね。じゃあ、強く怒られたとき、みんなはどうするの? 「泣く……」 「早くしている。自分では早くしていると思っているのに、『もっと早く』って言われる」 「怒られると、しゃべりたくなくなるから、だまってお地蔵さんみたいに固まってる」 さらに、大人をよく見ているこんな意見もありました。 「ママは怒ったことをよく忘れてる」 「ぼくのお母さんも忘れてしまうよ」 ―― 知らないうちに仲直りになってる? 「ごめんなさいって反省する」 ―― そうすると優しくなる? 「機嫌がなおるまではね」
今回、話を聞いた子どもたちのほとんどが、毎日のように親に怒られていると答えました。
一方で、自分が親から嫌われているとは、まったく考えていないようです。「お父さんお母さんは、私やぼくのことを大好だと思う?」と聞くと、みんなが「はーい」と答えました。
子どもは点ではなく面で親を見てくれる
コメント:大日向雅美さん 私たち大人は「点」で考えてしまいます。例えば「あのとき、こんなことを言ってしまった」などです。でも、子どもたちは「点」でも「線」でもなく、「面」でものを見てくれます。怒っている姿だけでなく、ぎゅっと抱きしめてくれるときも、落ち込んでいるときも、一緒に楽しんで遊んでいるときも、全部見てくれているのです。その意味では、子どもは侮れないけど、信じていい存在で、すごい力を持っていると思います。
権利の主体としての子どもの意見を聞くことが大切
コメント:田中恭子さん 子どもは、子どもなりにたくさんのことを考えて、意見を持っていることがよくわかりますね。私たち大人は、つい先回りして、子どもの行動をコントロールしようとしがちですが、子どもの意見をしっかり聞く必要があると思います。子どもを、私とは違う意思のある権利の主体として考えて、尊敬の思いを持つことも大事かもしれません。
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