友だちをつくれない、どうすればいい?
今回、番組「すくすく子育て」でアンケートを行ったところ、いちばん多かった悩みが「友だちをつくれない」でした。2~3歳の子どもを育てるパパ・ママたちから、「公園でほかの子がくると、私のそばから離れない」「友だちが話しかけてきても、返事できない」「ほかの子がそばにくると、おもちゃを取られると思って手が出てしまう」といった声が寄せられています。こんなとき、親はどうすればいいのでしょうか?
2~3歳は、友だちと仲よく遊ぶ時期ではない
回答:川田学さん 2~3歳といえば、幼稚園に入る前ぐらいですね。この時期は、まだ友だちと熱心に遊ぶことはあまりありません。すぐにほかの子と関わって遊ぶのは、ハードルが高いと思います。
ゆっくり相手の様子をよく見る時間をつくる
回答:川田学さん ほかの子と関わることが難しいときは、子どもがゆっくり相手の様子をよく見る時間をつくってみてください。一緒に様子を見ながら、「あの子は何をしているのかな、砂を掘っているね」のように、友だちの行動を言葉にして、実況中継してみましょう。友だちとの距離が少しずつ縮まって、関わりを持つきっかけになる場合もあります。もし友だちのところに行くときは、「一緒に行ってみる?」と声をかけてみてください。
大人同士のやりとりで安心することも
回答:渡邊暢子さん 子どもに友だちと仲よく遊んでほしいと思うのは、親心として大切かと思います。そこで、親同士・大人同士が仲よく会話したり、楽しそうにやりとりすることも大事です。子どもは、その様子を見て、安心感を持つようになり、何かの機会があったときに、友だちにおそるおそる接することなく関わって、仲よくできるかもしれません。少し気長に見ていてもいいのではないかと思います。
コメント:鈴木あきえさん(MC) 私の息子が通っている園で、好きな席で好きな子とお弁当を食べられる日があるんです。ある日、息子がひとりで食べていたと聞いて心配しました。でも先生によく話を聞くと、「年少のころは、誰かと食べるより、“この席”で食べたいと思ったりします。心配しなくてもいいですよ」と聞いて、そんなこともあるんだなと思いました。
何歳から友だちと遊ぶようになる?
2~3歳のころは、必ずしも友だちと遊びたがる時期ではありません。では、何歳ごろから友だちと遊ぶようになるのでしょうか。幼稚園に入る子を想定して、友だちとの関係の変化について、川田学さんに聞きました。
入園前から、年少、年中、年長にかけての友だちとの関係の変化をみていきましょう。
入園前は、ひとり遊び・平行遊びの時期
入園前は、まだひとり遊びが楽しい時期です。友だちと一緒に遊ぶことはせず、同じような遊びを並んで行う「平行遊び」で刺激を受け合っています。例えば、砂場で遊んでいる子がいると、横で同じような砂遊びをひとりでします。
年少は、友だちとのトラブルが多くなる。波長が合うことも
個人差はありますが、年少のころは、まだお互いの気持ちはわからず、マイペースでいたい時期です。友だちとのトラブルが起きるようにもなります。例えば、使っていたシャベルを置いていたら、ほかの子に持って行かれて、取り合いになる。でも、トラブルが起きるのは、友だちとの関わりができているからです。一方で、友だちと波長が合うと、笑いながら盛り上がることもあります。そのような両面がある時期です。
年中は、人の気持がわかるようになる。葛藤もうまれる
年中になると、人への理解が深まります。以前なら気にならなかったような、友だちの気持ちや視線などが気になったり、励みになったりします。お互いに気持ちがわかってくるため、「みんなで〇〇のようにやってみよう」といったイメージの共有がみられ、そのような遊びも出てきます。一方で、友だちを気にして行動をためらうなど、葛藤がうまれてきます。
年長は、友だち同士の協力関係が出てくる。ことばのトラブルも
年長の時期は、友だち同士で協力関係をつくって、役割分担するといった成長がみられます。例えば、何人かで協力しながら、積木のようなものを天井に届くぐらいに積み上げることもあります。
そして、ことばが達者になる時期でもあります。例えば、泣いている子がいると、その子の代わりに、何があったかを先生に説明する。一方で、相手を傷つけたり、約束を破ることもある。そのような新しい形のトラブルが出てきます。
PR