子どもたちには外で思い切り遊んでほしい。でも、思わぬケガや事故にあわないか心配ですよね。外遊びで起きやすいトラブルの対処法や予防法を教えてもらいました。
今回は、虫刺されと食中毒です。
講師: 飯村知広(小児救急看護認定看護師)
虫刺され
外遊びでは、マダニ、ハチ、ブユ、蚊、毛虫などの虫に注意しましょう。
虫に刺されてしまったら
一般的な虫刺されの場合は、傷口から雑菌が入らないように、きれいな水とせっけんでしっかり洗い流し、患部を清潔にしてください。
また、患部を冷やすことで炎症を抑え、かゆみや痛み、腫れなどの症状を和らげることができます。
※写真提供:兵庫医科大学皮膚科学 夏秋優教授
虫刺されの患部をかきむしり、皮膚に細菌が感染すると「とびひ(伝染性膿痂疹)」などになってしまうこともあります。患部はかきむしらないように注意してください。
特別な対処が必要な虫刺され
<マダニ>
※写真提供:兵庫医科大学皮膚科学 夏秋優教授
マダニに吸血されると感染症にかかる可能性があります。マダニが体に付着していたら、引き抜こうとせず、そのまま病院を受診してください。
マダニを無理に引き抜こうとすると、皮膚に食い込んだ頭部がちぎれ、皮膚の中にマダニの一部が残ってしまいます。
近くに医療機関がなく、どうしても対処しなければいけない場合は、皮膚に食い込んだマダニの頭部をピンセットなどでつまみ、ゆっくり引き抜いてください。自分で処置したあとは、必ず医療機関を受診してください。
<毛虫>
※写真提供:兵庫医科大学皮膚科学 夏秋優教授
毛虫には、チャドクガ・ドクガなど、毛に毒を持った種類があります。その毛に触れてしまうと、強いかゆみや腫れ、大量の赤いぶつぶつなどを引き起こします。
毛虫に触れてしまった場合は、まずは泡立てたせっけんや水を使って皮膚についた毛をよく洗い流してください。
さらに、水で洗い流せずに残った毛を、粘着テープなどを使って取り除きます。毛虫の毛に直接触れてしまうと、あとで痛みやぶつぶつが出てしまうので、直接触れないように注意してください。
虫刺されを防ぐポイント
虫刺され対策として、長袖・長ズボンなど、皮膚の露出が少ない服装を心がけ、事前に虫除けスプレーをしておきましょう。また、ハチは香水や食べ物などの強い匂いに寄ってくるので注意してください。
食中毒
新型コロナウイルスが流行する前は、夏場のお祭りや屋台などで食べた後の下痢やおう吐が多くありました。コロナ禍では、家でのバーベキューで生焼けの肉を食べたことなどが原因で食中毒になることが多くなっています。
食中毒の予防ポイント
食中毒の原因のほとんどは、食べ物の不適切な温度管理です。食べ物は適切に温度管理する、肉を焼く箸と食べる箸を分ける、生肉は絶対に食べない、肉はしっかり焼くなど、衛生管理には特に注意しましょう。
子どもが生肉を食べて細菌感染した場合、抵抗力が弱いため重症になることがあるので注意が必要です。
子どもがおう吐してしまったら
子どもがおう吐してしまった場合は、まずは、子どもを日陰などの涼しく安全な場所へ移動させてください。介抱するときは、マスクをして二次感染を防ぎましょう。可能であれば、水分摂取を開始します。
水分はスプーン1杯の水などから、ゆっくりと摂取を始めてください。
おう吐しそうな様子があれば、としゃ物でのどをつまらせないように、顔を横に向けて寝かせましょう。
症状が落ち着いたら、必ず病院を受診してください。
経過観察をして、おう吐の回数や量、時間やタイミング、としゃ物や便の内容も知っておくと、原因解明につながります。
飯村知広さん 外遊びでは、予期せぬトラブルにあうことがあります。まずは冷静に応急処置、その後で原因究明を心がけましょう。
まいにちスクスク「外遊びでのトラブル」の番組記事
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