毎日欠かせない歯みがき。でも、子どもが嫌がるなど、悩んでいるママ・パパも多いと思います。小児歯科医の土岐志麻さんに、歯みがきのしかたや口の中のケアを教えてもらいました。
今回は、1~3歳までの場合です。
講師: 土岐志麻(歯科衛生士委員会 委員長/小児歯科医)
1歳ごろからの歯みがき
1歳くらいになると、平均して上下で8本くらいの歯が生えてきます。歯ブラシは、歯の表面にしっかり当てられるものを選びましょう。
また、たくさん食べるようになるので、しっかり汚れをかき出せるように、毛のかたさはふつうで、コシのあるものがいいですね。
歯みがきのポイント
このくらいの子どもは、前歯2本の間がいちばん虫歯になりやすいので、重点的に磨くのがポイントです。
明るいところで、上唇をめくって、歯とブラシが90度になるように当てて、1本ずつ磨いてください。
このとき、上唇の裏にある三角形のひだ「上唇小帯」を傷つけないように気をつけましょう。
ここを触られると、子どもは反射的に嫌がるので、なるべく避けてやさしく磨いてください。縦磨きが有効です。
歯と歯の間はデンタルフロス
実は、歯ブラシで磨けるのは歯の表面の6割だけ。残り4割は歯と歯の間で、歯ブラシでは磨きづらい場所です。デンタルフロスで磨いてあげましょう。
デンタルフロスの使い方
まず、デンタルフロスを30センチくらい引き出して、中指に巻きつけます。使うだけつまんで、人さし指と親指で操作します。
磨くときは、同じ歯の間に2回入れることがポイントです。1回目を手前の歯の側面に添わせたら、2回目は奥の歯の側面に添わせて両側をきれいにします。最初は嫌がる子もいますが、次第に慣れていきます。
2歳ごろからの歯みがき
イヤイヤ期になる2歳ごろは、歯ブラシを嫌がって大変になることもあります。まずは、歯を磨きたくなるような意識づけを心がけましょう。
例えば、きれいな歯と虫歯の歯を並べたカード(写真やイラスト)を用意します。
カードを子どもに見せて、「どっちの歯がいいですか?」と聞いてみてください。意識が変われば、自分から歯を磨きたくなるはずです。
歯ブラシを押し返すときは
このころになると、舌の力が強くなり、歯ブラシを押し返してしまうことがあります。割り箸にガーゼを巻いたものを使ってみましょう。
割り箸2本をテープで巻いて固定し、先端にガーゼを巻きつけて準備します。
これを使えば、自分の舌の位置を自覚させることができます。また、箸をかんでいることで、歯ブラシが入りやすくなります。
土岐志麻さん イヤイヤ期の歯みがきは大変だと思いますが、親子のスキンシップの時間だと考えて、楽しい時間を過ごせるように心がけましょう。
まいにちスクスク「歯みがき&口のケア」の番組記事
- (1)0~1歳
- (2)1歳~3歳
- (3)3歳~5歳
- (4)6歳臼歯が生えてから
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