子どもへの指示が多かったり、行動を制限したり。みなさんにも心当たりはありませんか? どこまで口出しをして、どこまで見守ればいいのか。親の過干渉についてみんなで考えます。
専門家:
汐見稔幸(東京大学 名誉教授/教育学)
武田信子(臨床心理士)
子どものやることを制限してしまう。どう心がけたらいい?
自分でできるのに親に甘えてくる…
子どもに質問を繰り返してしまう。悪い影響はない?
子育ては干渉することでもある。自分中心になり過ぎない
武田信子さん
子育てをすることは、ある意味、子どもに干渉してしまうことです。そのとき、自分中心になり過ぎることが、過干渉だと思います。「相手はどう思っているのかな」「どう聞いたら何と言うかな」と考えて、実際に聞いてみましょう。お互いのやりとりの中で、子どももひとりの人間で、その経験を総動員して、いろんなことを考えていると気づくと、声かけも変わってくると思います。自分が子どものころはどうだっただろうかと、思い出すのもいいかもしれません。
子どもの気持ちを聞き、ワンクッション置く
汐見稔幸さん
「過干渉」の定義は難しいですね。親が自分の思うように行動させようと過度に要求する。その程度の認識でいいと思います。その逆は、子どもを信じること。信じて、子どもの気持ちや考えをできるだけ聞いてあげること。その上で、折り合いをつけて、ワンクッション置くことが、過干渉を避けるいちばんの方法だと思います。
デンマークでは、ベビーカーに乗るような赤ちゃんに対しても、「あなたはどう思う?」と聞くといいます。自分の意見を言うということが、社会で生きていく上で大事だと考えてのことだそうです。他の国から機械的に模倣する必要はありませんが、そのような態度に学びたいですね。