親と子のメンタルケア(4)親のセルフケア
あなたのお子さんは、ストレスを抱えていませんか? 子どもたちはさまざまな理由でストレスを感じることがあります。子どもがストレスを感じたときどうすればいいのでしょうか。
今回は「親のセルフケア」について、立花良之さんに教えてもらいました。
講師: 立花良之(国立成育医療研究センター こころの診療部 乳幼児メンタルヘルス診療科 診療部長) 乳幼児期の子どものメンタルヘルスにくわしい。
親の気持ちの安定が子どもの安定に
どの年代の子どもにとっても、親は大切な存在です。親が元気に安らかでいることが、子どもの安定につながっています。
小さい子どもは親の状態に影響を受けることがあるので、親がストレスをため過ぎないことが重要です。親自身が今どんな状態にあるのか、ふだんから気にとめておきましょう。
ストレスを知る3つの変化
ストレスがたまっているかどうかを知るためには、日頃から3つの変化に注意しておきましょう。
まずは「睡眠」。寝つきはいいか、途中で起きてしまわないかなど、睡眠の質に変化はないか。
続いて「食欲」。なんだか食欲がわかない、反対に暴飲暴食が止まらないなどの、食欲に変化はないか。
そして「感情」。イライラを抑えることができず、子どもやパートナー、まわりの人に当たってしまうようなときは、心がSOSのサインを出しているのかもしれません。
こまめにセルフケアを
親も人間です。疲れたりイライラしたり、気持ちが落ち込むこともあります。このとき、ストレスが蓄積して悪循環になる前に、適度に休むなど、こまめにセルフケアをすることが重要です。
ストレスがたまり過ぎると、脳にダメージが生じます。早めに気付いて対処することで、悪化を防ぐことができます。
小さなストレスが積み重なる前に、体を動かして緊張をゆるめたり、アロマオイルなどの好きな香りでリラックスしたり、自分に合った方法でこまめに解消しましょう。
あらかじめ自分がリラックスできる方法をノートに書き出しておくのもおすすめです。いざというとき、助けてくれる方法がこんなにあると思えるだけで気持ちが楽になります。
心の健康には運動がおすすめ
ふだんから心の健康を保つためには、足を使ったリズム運動もおすすめです。
リズム運動とは、一定のリズムで行う運動のこと。踏み台昇降やジョギング、水泳、呼吸法などいろいろあります。リズム運動を行うと、脳の中にセロトニンという神経伝達物質が増えて、ストレスを和らげてくれるのです。
運動が心の健康にいい理由として、脳の血流量の増加があります。筋肉を動かすことで、自然と脳の血流量が増えて、脳機能の向上やセロトニンの分泌促進が期待できるのです。特に、筋肉量の多い足の運動などの有酸素運動が効果的です。
継続することで効果を実感できるので、ぜひ試してみてください。
まいにちスクスク「親と子のメンタルケア」の番組記事
- (1)赤ちゃん(0〜1歳ころ)
- (2)幼児期前半(2〜3歳ころ)
- (3)幼児期後半(4〜5歳ころ)
- (4)親のセルフケア
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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