親と子のメンタルケア(1)赤ちゃん(0〜1歳ころ)
あなたのお子さんは、ストレスを抱えていませんか? 子どもたちはさまざまな理由でストレスを感じることがあります。
今回は「赤ちゃん(0〜1歳ころ)」について、立花良之さんに教えてもらいました。赤ちゃんのストレスは、親の心の状態が関係しているようです。
講師: 立花良之(国立成育医療研究センター こころの診療部 乳幼児メンタルヘルス診療科 診療部長) 乳幼児期の子どものメンタルヘルスにくわしい。
赤ちゃんもストレスを感じる
赤ちゃんでもストレスを感じることがあります。おなかがすいた、だっこしてほしい、安心したいなど、生理的欲求が満たされないときに感じるといわれています。ただ、言葉で表現することができないので、泣いたり、体を使っていろいろな反応を出したりします。
そんなときは、長時間放置するようなことがなければ、大きな問題はありません。子育ては量より質の部分もあります。子どもと一緒にいる時間だけでも濃密に関わることが大切です。
心の余裕が持てなくなる親は少なくない
いつでも赤ちゃんのそばにいて、泣いたらすぐにだっこしてあげたい —— そう思っているママ・パパはきっと多いはずです。でも、そんな心の余裕が持てなくなる人も少なくありません。国立成育医療研究センターの調査(2020年11月〜12月)では、0〜5歳児の保護者の約30%に、中等以上のうつ症状の可能性がみられました。
親の心が疲れていると、赤ちゃんが親を求めたときに向き合う余裕がなくなってしまいます。すると、赤ちゃんがさらに泣いてしまい、親がいっそうつらくなるような悪循環になる場合があります。泣いても応じてもらえない状態が長く続くと、赤ちゃんのストレスがたまり、情緒が不安定になることもあります。
そうならないためにも、親がストレスをためないことが大切です。
親がストレスをためないために
まず、誰にとっても重要なのは「睡眠」です。
睡眠不足が続くと脳の機能が低下します。悪化していくと、ひどく気分が落ち込んだり、子どもがかわいいと思えなくなったりするなど、認知のひずみが生じてしまうこともあります。健康な人でも、精神力が強い人でも、どんな人でも同じです。
睡眠不足を感じたら、日中に仮眠をとるなど、早めに補ってください。
また、ひとりで頑張らずに、パートナーや家族など、まわりの人に頼りましょう。行政・民間のサービスも積極的に活用してください。親の心の余裕が、赤ちゃんの安心につながります。
神経質にならないで、ほどよい対応を
少しでも泣かせたままではいけない、何かしないといけない —— そのように、あまり神経質になり過ぎないことも大切です。そもそも、赤ちゃんが泣いたとき、完璧に対応することはできません。全体を通して、あやしたり、だっこしたり、ほどよく対応してあげることで、赤ちゃんに安心の土台ができていきます。
まいにちスクスク「親と子のメンタルケア」の番組記事
- (1)赤ちゃん(0〜1歳ころ)
- (2)幼児期前半(2〜3歳ころ)
- (3)幼児期後半(4〜5歳ころ)
- (4)親のセルフケア
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