安心して小学校に入学してもらうために
小学校では、入学する子どもたちに、できるだけ不安を感じさせないように工夫をしているそうです。
こちらの小学校では、新年度に入学する子どものために、小学生と園児が交流する機会を頻繁に設けてきました。しかし、2020年度は新型コロナの影響で直接会うような交流はできません。それでも、できることをしようと今度入学する園児たちにメッセージを送ることにしました。
1年生の子どもたちが、自分が通っていた保育園に向けて、「元気ですか?」「学校は楽しいよ」「図書室があるから中休みに行ってみてね」といったことを書きました。去年、入学前に小学生からメッセージを受け取っていたので、今度は自分たちの番だと思ったようです。
校長先生は「どの学年の子どもも、人とのつながりを途絶えさせてはいけない。コロナ禍だからこそ心をつなげよう。笑顔を届けよう」と考えていました。
この日、小学生の気持ちを校長先生が代わって届けに行きました。幼稚園の子どもたちは喜んでくれるのでしょうか。
まずは子どもたちへのプレゼントを渡しました。チューリップの球根です。幼稚園と小学校で一斉に咲けば、園児が小学生になったときに共通の話題になると考えたんです。
続いて小学生からのメッセージです。「1年生が書いたのよ」と聞いて、子どもたちもびっくり。園で一緒に過ごしていた子の名前を見つけて、「覚えてる!」と言っていました。
幼稚園の先生も、園児と卒園生との関わりを大事にしています。小学生になったお友だちが頑張っている姿や、字が上手になっていることなどを知ることができる、いい機会だといいます。
このように、校長先生は校区内の園をまわり、小学生の気持ちを園児に伝えていきます。安心して入学してほしい —— それが園と小学校、双方の願いなんです。
交流することによって、子どもたちは心の距離が近くなり「学校が楽しみだな」という気持ちになれます。学校と園の子どもたちをつなげる取り組みで、子どもたちが自然に、小学校生活を頑張ろう、いろいろとチャレンジしてみようという力になるのではないかと思います。 (校長先生)
コメント:大豆生田啓友さん このケースのように、今、小学校と幼稚園・保育園・こども園のつながりが全国的に広がっています。子どもたちの「小学校に行くのがとてもワクワクする。楽しみ。もっといろんなことができるかも」という気持ちを大事にしようと考えているのです。 小学校のお兄さん・お姉さんが、小学校のことを手紙に書いたり絵で描いたりしてくれると、すごくイメージが湧きます。そして、お兄さん・お姉さんが去年は園で一緒だった子で、立派になっていて、こらからの自分を想像できる。小学校という場所は、不安なところではなく、希望にあふれている。そんなことを大事にしている取り組みだと思います。
コメント:宮里暁美さん 親は、わが子が失敗すると「かわいそうだ」と思うから、いくつもの策を考えるかもしれませが、それでも失敗はするものです。失敗したときに、何とかすることができれば、その経験が子どもの自信になり、「次もやれそう」だと思える。そのためにも、親は自分たちの失敗や体験談を子どもに語ってくれたらいいなと思います。
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