トイレトレーニングは、何から、どう進める?

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2021/06/05

出典:すくすく子育て[放送日]2021/06/05[再放送]2021/06/12

長女のオムツを、早くはずしたいと思っています。オムツがむれて肌がかぶれないか心配だったり、オムツがなくなると経済的に楽になるのではないかと思ったり。下の子を妊娠したことも、気持ちを後押ししました。
11か月のころから慣れさせようとトイレに連れて行き始めて、トイレをかわいく飾ったり、できたらシールを貼ったり、いろいろな方法を試しました。2歳を過ぎたころからは、トイレでできることが増えてきました。でも、最近は、嫌なのかトイレに行かないこともあります。パパはトイレトレーニングに協力的ですが、「いつかとれるだろう」と楽観的で、その姿勢の違いに不満を感じることもあります 。ダラダラと続けないためにも、どんな方法で進めたらよいのか知りたいです。
(2歳8か月 女の子、7か月 男の子のママ)

ママとパパ、2人で取り組むことが大切

回答:池田裕一さん

ご相談の方のように、ママがトイレトレーニングの役割を担って頑張り過ぎてしまう、という話をよく聞きます。こういうケースはとても多いのですが、パパが参加することも大事です。パパが一生懸命になって声をかけることで、子どものやる気が出てくることも、よくあることなのです。ママとパパ、2人がそろって頑張っていこうという気持ちが大切だと思います。

親しみやすい場所でできる工夫を

回答:池田裕一さん

トイレをかわいく飾っても、子どもにとっては狭い空間だったり、廊下の先にあったり、どうしても慣れない部分があると思います。ですので、やりすぎかもと思うぐらいに、大切にしているぬいぐるみを置いたり、大好きなキャラクターのポスターを貼ったりして、「トイレは自分の場所なんだ」とわかるような工夫をすると、スムーズにできることもあります。
あるいは、トイレではなく、リビングなど親しみやすい場所におまるを置いてみるのも、ひとつの方法です。

オシッコやウンチが、どのように出るのか教える

回答:池田裕一さん

子どもは、自分のオシッコやウンチが、どこから出るのか知らない場合があります。そのため、例えばお兄ちゃんが出しているところを見て、こうやって出るんだと納得して、出すことは怖いことではないとわかることで、トレーニングが進むこともあります。親が見せてあげてもいいでしょう。実際に見せなくても、人形を使って「こんなふうに出るんだよ」と教えてあげる方法もあります。
また、子どもから、親のトイレを「見せて」と言ってくるときは、興味・関心が出てきた合図です。トレーニングを進めるにはいいタイミングですね。
子どもが11か月のころからトイレに座らせて慣れさせたり、親のトイレの様子を見せたりしてきましたが、うまくいきません。

少しペースを落としてみましょう

回答:池田裕一さん

親が頑張り過ぎているかもしれません。少しペースを落としてみましょう。例えば、「トイレでできなくてもいいよ、オムツでしてもいいんだよ」と伝えて、トイレでできたときはいっぱいほめてあげるような進め方にする。ママが頑張り過ぎているときは、パパが「今後は自分がやってみるよ」と声をかけて、2人で協力しながら進めるほうがよいでしょう。
パンツを履くことを嫌がることがあります。無理に履かせなくてもいいんですか?

まずはオムツでトイレに行ってみる

回答:池田裕一さん

子どもにとって、オムツからパンツに移行するのは、とても大きなことなんです。生まれたときから、ずっとオムツで排せつすることが当然だったのに、急にパンツになってトイレで排せつというスタイルに切り替えることはハードルが高いのです。まずは、オムツのままトイレに座ってみましょう。オムツの中で出しても、「トイレでできたね」とほめてあげることで、「自分はできるんだ」と思えることが大切です。
オムツでトイレに行くとき、オムツを少し切っておく、という方法もあります。オムツをはいたままでも、ウンチが切り込みからトイレに落ちるわけです。「お!トイレできたね」とほめれば、やる気が出てくるかもしれません。

パンツがぬれるのが嫌でトレーニングが進むことはない

回答:池田裕一さん

パンツがぬれると嫌がるという反応は、実は社会的な認識によるもので、一種の社会性のあらわれともいえます。子どもにとっては、水でぬれても、オシッコでぬれても、あまり抵抗がないのです。1~2歳の子どもに「ぬれるのが嫌でしょ」と言うのは、「社会性を持ちなさい」と言っていることと同じで、なかなか難しいものです。4~5歳になれば、社会性が育ち、ぬれた感覚が不快だと感じるようになります。
パンツに慣れてきたときでも、うまくできないときはオムツに戻してもいいのでしょうか?

発達は一方通行ではありません。気持ちをリセットすることも大事

回答:池田裕一さん

子どもの発達は、一方通行ではありません。進んだり戻ったりするものです。例えば、3か月ぐらいオムツに戻して、秋になったらパンツでやってみようなど、子どもに見通しをつくってあげるとよいかもしれません。オムツに戻すことで、子どもは気持ちが少し楽になると思います。排せつは、リラックスしている状態でないと難しいので、楽になることで次のステップに進めるようになります。子どもの気持ちがリセットされるようなイメージで考えてください。

正しい排尿・排便姿勢

解説:池田裕一さん

スムーズな排尿・排便のためには、正しい姿勢でトイレをすることも大事になります。

ひざを約90度に曲げ、背すじを伸ばし、上半身を少し前に傾けると、下腹部に力が入り、尿や便が出やすくなります。子どもに姿勢を教えるときは、人形を使ったり、親が姿勢を見せてあげるのがよいでしょう。

足がブラブラしていると安定しません。補助便座の場合は、踏み台を置いてあげるといいですね。
おまるでも、補助便座でも、この姿勢が保てるように工夫してください。

補助便座とおまるは、どちらから始めるのがいいでしょう?

無理のない姿勢がとれるものを

回答:池田裕一さん

子どもの体格によります。補助便座は、大人用の便座に置いて使うものです。体が小さいときに補助便座を使うと、サイズが大きすぎて、足をかなり開かないといけません。小さいときはおまるで、大きくなってきたら補助便座でもいいのかなと思います。無理のない姿勢がとれるものを選んでください。無理がなければ、どちらでもよいと思います。

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