熱中症かどうか判断する方法は?
子どもが生まれて、はじめての夏です。外出時は、帽子をかぶったり、暑そうなときは冷たいペットボトルをわきの下にはさんだり、照り返しで熱くなりがちなベビーカーに長時間乗せないなど、熱中症に注意しています。でも、子どもが熱中症になったとき、親が気付けるか心配です。熱中症の症状を、初期段階から判断する方法があれば知りたいです。
(8か月 男の子のママ・パパ)
(8か月 男の子のママ・パパ)
熱中症のメカニズム
解説:榊原洋一さん
熱中症のいちばんの症状は、体温が上がることです。熱中症を判断するポイントをつかむためには、体温調節のしくみや、熱中症になるメカニズムを知ることが大切です。
体温調節のしくみ
通常、私たちの体温は、直射日光や気温で暑いとき、運動をしたときに上昇します。この熱を体の外へ逃がすために、汗と血液が大きな役割を果たします。
体温が上昇して汗をかくと、汗が蒸発するときに熱も逃がされ、体温が下がっていきます。
また、全身を流れる血液には、内臓など体の奥深くで発生した熱が移ります。熱を持った血液は、体の表面(皮膚)の毛細血管へ集まります。熱は皮膚から体の外に逃がされ、血液の温度が下がり、体温も下がっていきます。例えば、お風呂に入ると体が赤くなるのは、体の表面に血流が集まって、体温を下げようとしているためです。
このように、熱を逃がすことで体温を調節します。
体の熱を逃がせなくなると…
ところが、気温や湿度が高い場合は、熱を逃がしにくくなります。
さらに、体内の水分が不足すると、汗や血液による体温調節に影響が出てきます。十分な汗をかけなくなり、汗による体温調節が難しくなります。血液の流れが滞りがちになり、体内に熱がたまってしまいます。
この状態が続くと、体の、特に芯の部分の体温が上がってしまい、熱中症になるのです。
熱中症を見分けるサインはありますか?
体温の上昇、汗やおしっこの量をみる
回答:榊原洋一さん 熱中症かどうか判断するとき、いちばん気をつけたいのは、体温の上昇です。目安として、子どもの体温が38度を超えたら注意が必要です。 次に、汗が出ているかどうかです。体内の水分が不足してくると、汗が出なくなり、皮膚が乾いて熱くなります。水分の不足で、おしっこの量も少なくなります。いつもより少なくないか、気をつけてみましょう。
熱中症の体温上昇と、風邪の発熱はどう違いますか?
風邪は内側から、熱中症は外側の熱で体温が上がる
回答:榊原洋一さん ウイルスや細菌が体内に入ると、血液中のリンパ球が発熱物質を出して、筋肉や肝臓や心臓などに働きかけ、熱をつくります。これが、風邪による発熱で、体内で発生した熱で体温が上がります。一方で、熱中症の場合は、外側から体内に熱が入ってくることで体温が上がります。熱の発生源が違うのです。
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