まだ話せない赤ちゃんと、どうコミュニケーションをとればいい?
5か月ごろから、「あいあい」のような声を出すようになりましたが、まだ、ことばにはなっていません。まだ話せない時期は、どんなコミュニケーションをすればいいのでしょうか?
(9か月 男の子のママ)
(9か月 男の子のママ)
今はコミュニケーションの出発地点。応答的環境が大事
回答:久保山茂樹さん 今、赤ちゃんはコミュニケーションの出発点に立っていると考えてください。赤ちゃんは、泣けばおむつを替えてもらえる、あやしてもらえるなど、自分が発信すると何かしてもらえる、という経験を繰り返すことで、「声を出すことには意味がある」と学んでいきます。そのため、何かを発信すれば、返してもらえる「応答的環境」にいることが大切です。応答を繰り返すなかで、コミュニケーションが楽しくなり、ことばを覚える意欲にもつながっていきます。
赤ちゃんからの発信に、応答するにはどうすればいいでしょう?
赤ちゃんが声を出したとき、まねをして返す
回答:久保山茂樹さん 赤ちゃんに「声を出すことには意味があるんだよ」と教えてあげたいわけですね。そのためには、赤ちゃんが声を出したときに、その声をまねて返してあげるのがよいでしょう。3〜4か月ぐらいになると、赤ちゃんが声を出して、それをお父さん・お母さんがまねっこする、そんなやりとりが長く続くことがあります。とても楽しくて、かわいらしいですよね。こうしたやりとりから、赤ちゃんは、声を出すことがコミュニケーションになるのだ、とだんだん理解していきます。そんな場面を増やしてあげたいですね。
8か月のころ、自分から「いないいないばあ」をはじめました。親はどのように返したらよいでしょう?
赤ちゃんの期待通りに反応してあげる
回答:久保山茂樹さん 赤ちゃんは、自分が「いないいないばあ」をすれば、相手から反応があるとわかっています。つまり、反応への期待があるわけです。だから、赤ちゃんの期待通りに反応してあげることがとても大事なんです。期待通りにいかないと、ムッとしてしまうこともあります。 また、子どもは、同じことの繰り返しが、ものすごく好きです。何度も「いないいないばあ」をしてくることもあるでしょう。その繰り返しの中で、頭の中の働きが確実なものになっていくので、親はできる範囲でつきあってあげるといいと思います。
ほかにも、0歳の子どもに声をかけるときのコツはありますか?
目を見て、ゆったりしたリズムで、できるだけ静かなところで
回答:井桁容子さん 赤ちゃんの目をちゃんと見て、少し高い声で言ってみてください。そうすると赤ちゃんはこちらをずっと見てくれます。同じことばを、同じ調子で繰り返してあげるのも、赤ちゃんの安心感につながるのでいいですね。「おはよう。おはよう。いいお天気だねえ」―― そんな、ゆったりしたリズムが、赤ちゃんにとって聞き心地もよく、「ああ、わかり合えた」という時間になるんですね。赤ちゃんが「この人に何かを伝えたら、待ってくれる、聞いてくれる」と感じるリズムになるように、意識してみてください。 また、騒がしいところだと、大人の声の調子が聞こえにくくなります。できるだけ静かで、聞きやすい環境で話しかけてみてください。
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