自分の時間が欲しいと思うことは、ぜいたくな悩みなの?

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2021/05/01

出典:すくすく子育て[放送日]2021/05/01[再放送]2021/05/08

子どもたちを保育園に預けて、手話通訳の仕事をしていました。外で仕事をしているときが、自分の時間だと感じていました。でも、緊急事態宣言の後、登園自粛となり、家で子どもをみながら仕事をすることになり、自分の時間はなくなりました。
家事や仕事をしていると、子どもがかまってほしそうに寄ってきて、思うように進みません。そんな日々に疲れてしまい、ひとりになりたくて、トイレにこもったり、私だけソファーで寝ることもありました。
でも、もっと過酷な状況で働いている方のことを考えると、私は子どもと一緒にいられるだけでも幸せなのではないかとも思います。自分の時間が欲しいと思うことは、ぜいたくな悩みなのでしょうか?
(5歳・1歳10か月 女の子のママ)

自分の時間と相手に合わせる時間とのバランスが大事

回答:汐見稔幸さん

外での仕事は、自分がやりたいことを、自分のペースでできる時間だったから、自分の時間だと感じていたのでしょう。一方で、育児は全く逆、子どものペースに合わせる時間になります。心の健康を保つには、自分が自由にできる時間と、相手のペースに合わせる時間のバランスをとらなければいけません。
今、保育の世界では、保育から離れて子どもとコンタクトしない時間を、1日のうちに必ず持たなければいけない、というようになってきています。その時間で、休んだり、相談したり、デスクワークなどをするのです。
保育のプロでも必要な時間ですから、親が「ちょっと子どもから離れて、自分の時間を持ちたい」と思うことは、ごくごく自然なことです。できるだけ、時間を持てるような工夫をしていただきたいですね。

生きていく上で必要な欲求を自分に認めてあげて

回答:大日向雅美さん

自分の時間が欲しいと思うことは、決してぜいたくではありません。人として生きていく上で、とても大切で必要な時間です。そして、それは何のための時間か。ご相談の方であれば、ゆっくり休む時間であったり、仕事で社会に貢献することかもしれません。
この新型コロナの問題で、社会や世間から「わがまま!ぜいたく!」だと言われているような気分になることがあるかもしれない。でも、それに負ける必要はありません。なぜなら、自分の時間は、息をするように必要な欲求なのです。誰かを説得する必要もありません。誰かに「息をしてもいいですか?」と聞く必要がないことと同じです。人が人として生きていく上で大事な欲求を、自分に認めてあげてほしいなと思います。

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