子どもが頭を打ったとき、どうしたらいいの?
2歳6か月になる娘は体を使った遊びが大好きで、よく頭をぶつけます。自分で踏み台を持ってきて、妹のベビーベッドにのぼったこともあります。落ちて頭を打ったことも。そんなとき、家で様子を見たほうがいいのか、病院に行ったほうがいいのか迷います。危ないのはどんなときでしょうか?
(2歳6か月 女の子のママ)
(2歳6か月 女の子のママ)
頭を打ったときは、年齢・高さ・場所にも注意する
回答:福井聖子さん 子どもが頭を打つと、どうしても打った部分や子どもの様子ばかりを見てしまいます。ですが、そのときの状況から、危険度を考えることも大切です。年齢・高さ・場所の3点に注目してみましょう。 特に要注意なのは、まだ頭が柔らかい6~7か月以下の赤ちゃんが、1m以上の高さから、衝撃の強い場所(石やコンクリートなど)へ転落した場合です。もう少し大きな子どもでも、1m以上の高さから落ちて、衝撃の強い場所で打った場合は心配なケースです。
すぐに病院に行ったほうがいいのは、どういうときですか?
親が受診を迷わないとき
回答:福井聖子さん すぐに受診が必要な状態は、意識がない・けいれん・大量出血・様子がいつもと違うなどです。 〇 意識がない(短時間でも) 〇 けいれん 〇 大量出血 〇 様子がいつもと違う 〇 打ったところが異様にへこんでいる 〇 変によく眠って起きない 〇 手足のまひ 〇 ひどい頭痛 〇 おう吐を繰り返す など おそらくは、これらは受診を迷うような状態ではないと思います。救急車などで、すぐに病院に行ってください。 受診を迷う場合は、子ども本人の状態がそれほどでもないときが多いので、しばらく様子を観察してください。
子どもの様子を見るとき、どのような点に注意すればよいですか?
経過時間を意識しながら、早い段階で症状を見つける
回答:福井聖子さん まずは経過観察する時間の目安を知っておきましょう。発生から6時間までが要注意です。何か大きなことが頭の中で起きている場合は、6時間以内で症状が出やすいといわれています。続いて24時間、さらに48時間経過して何もなければ、おおむねひと安心といえるでしょう。その間、痛がったら冷やしてもよいでしょう。 早い段階で症状を見つけることが大切です。次のポイントに注意して観察してください。 顔の表情・顔色/まずは、顔を見ます。ぼーっとした表情をしていたり、いつもと受け答えが違ったりする場合は、意識に支障が出ているのかもしれません。顔色が悪いときにも注意しましょう。 元気さ/頭の中で何かが起こっている場合は、元気がなくなるので、元気さもポイントになります。 おう吐を繰り返すか/子どもは、何でもないことで1~2回はおう吐することがあります。熱が出ていたり、下痢をしていたりするなど、おう吐の原因が他に見当たらないのに何度も繰り返すときは要注意です。 頭痛が続くか/子どもが大きくなってくると、痛みを我慢してしまうこともあります。頭痛が続くかどうかもポイントなので、注意してみてあげてください。
症状が出たら病院に
回答:福井聖子さん 症状が出ていないときは、おおむね脳の働きに異常はありません。例えば、CTによる検査は、検査時の異常を見つけるもので、「これから症状が出る」と予測ができるわけではありません。そのため、病院に早く行き過ぎても、検査で何もわからないことがあります。早めに症状を見つける、症状が出てきたら病院に行く、そのように考えてください。
日常生活の中で様子を見る
回答:白石裕子さん 「なにか変だ」と思ったら受診するようにしてください。このとき、症状がないか?とものすごく注視するのではなく、日常生活の中で様子を見る程度でよいと思います。
打ったところを冷やすために保冷剤を使うのですが、子どもが嫌がります。どうすればよいでしょう?
無理に冷やす必要はない
回答:白石裕子さん 必ず冷やすことが必要なわけではありません。無理に冷やさなくてもよいでしょう。嫌がるのは元気な証拠と考えてみてはいかがでしょうか。
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