災害時に役立つ防災メニュー(4)水・エネルギーが節約できる調理法

クリップ
クリップ

2

2022/03/03

出典:まいにちスクスク[放送日]2022/03/03[再放送]2022/03/10

もしも災害が発生したとき、家族の食事、特に子ども向けのメニューはどうしたらいいのでしょうか? 災害時にも、子どもがおいしく食べられる食事のアイデアを紹介します。
今回は、災害時に貴重となる水やエネルギーを節約できる調理法です。

講師:
今泉マユ子(管理栄養士)
東日本大震災をきっかけに、「防災食」を研究するようになり、多くの家族向けのレシピを提案してきた。

調理法の基本

紹介するのは、「ポリ袋に材料を入れて、湯せんをする」調理法です。断水などで水が不足しているときに、有効な調理方法になります。

ポイントは、ポリ袋の中の空気を抜いて真空に近い状態にすること。火の通りが早くなり、味もしみこみやすくなります。鍋を汚さないので、洗い物に使う水の節約にもなります。

必ず、熱に強い「高密度ポリエチレン製」のポリ袋を使いましょう。

湯せんするときは、ポリ袋が鍋の底に直接つかないように、耐熱皿を入れておきます。
水は、鍋の高さ3分の1まで入れます。

ごはんの炊き方

まずは、この調理法でごはんを炊いてみましょう。

清潔なポリ袋(高密度ポリエチレン製)に、米1合・水1カップを入れます。
袋の空気を抜きながらねじりあげ、口をしっかり結んでください。

ポリ袋を鍋に入れ、ふたをして火にかけます。
※鍋には耐熱皿を敷き、3分の1の高さまで水を入れておきます

沸騰したら、中火で20分間加熱します。
さらに、火を止めてふたをしたまま10分蒸らします。

これで、ごはんのできあがりです。
※鍋から取り出すときや袋を開けるときはやけどに注意しましょう

おかゆの炊き方

米の量を変えると、おかゆも作れます。

全がゆは、水1カップに対して米40グラム。

五分がゆなら、水1カップに対して米20グラムです。

おかずの作り方

続いて、おかずの例として、高野豆腐のマーボーを作ります。

材料

マーボー豆腐のもと(レトルト)※1
1袋
高野豆腐※2
18コ
カップ1

※1 マーボー豆腐のもとは、子どもでも食べられるように甘口を選びましょう
※2 高野豆腐は、湯もどし不要のひと口サイズのものを使います

作り方

清潔なポリ袋(高密度ポリエチレン製)に、マーボー豆腐のもと・高野豆腐・水を入れます。
袋の空気を抜きながらねじりあげ、口をしっかり結んでください。

ポリ袋を鍋に入れ、ふたをして火にかけます。
※鍋には耐熱皿を敷き、3分の1の高さまで水を入れておきます

沸騰したら、中火で15分加熱します。
さらに、火を止めてふたをしたまま10分蒸らしましょう。

高野豆腐にタレのうまみがたっぷりつまっておいしいですよ。

汁物の作り方

最後に、乾物を使ってみそ汁を作ります。

材料

お好みの乾物
適量
顆粒(かりゅう)だしのもと(和風)
小さじ1/3
みそ
小さじ2
カップ1

作り方

清潔なポリ袋(高密度ポリエチレン製)に、お好みの乾物・顆粒(かりゅう)だし・みそ・水を入れます。
空気を抜きながら袋の口をしっかり結びます。

鍋に入れ、温まるまで加熱したらできあがりです。
※鍋には耐熱皿を敷き、3分の1の高さまで水を入れておきます

汁物は袋のままだとこぼれやすいので、必ず器に移しましょう。
※やけどに注意しましょう


この調理法なら、ごはん、おかず、汁物を同時に作ることができます。災害のとき貴重となる水やエネルギーの節約につながります。

災害は、知識だけでは乗り越えられません。実際に「作って食べてみる」ことを体験してみましょう。「聞いたことがある・知っている」ことを、「できる」ことに変えていただければと思います。

まいにちスクスク
 
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら

PR

×     閉じる