親子で絵本を楽しもう(3)2~3歳ごろの絵本の楽しみかた
絵本に親しんでほしいと思っても、子どもが興味を示さないことはありませんか? 絵本の選びかたや読みかたがわかれば、絵本の時間がもっと楽しくなりますよ。
今回は、2~3歳ごろの絵本の楽しみかたを紹介します。
講師: 代田知子(埼玉県三芳町立中央図書館 館長) 司書として30年以上活動。これまで読み聞かせの会などで多くの親子に絵本についてのアドバイスを行ってきた。
絵本の選びかた(2~3歳ごろ)
子どもによって個人差があるので目安になりますが、この時期の子どもは、活発に動くようになり、身のまわりのことに興味を示すようになります。
そんな時期には「日常のできごとに結びついた内容の絵本」がよいでしょう。お散歩や砂場遊び、家でのお手伝いなど、子どもに身近な日常のできごとを扱った絵本を楽しむ子どもが多くなります。
日常のできごとを楽しめる絵本
『おふろで ちゃぷちゃぷ』
お風呂のシーンを描いた絵本です。
どこかに向かっているあひるちゃん。ぼくは「まってまって」とついていき、シャツを脱いで、最後はあひるちゃんと一緒にお風呂に入ります。この時期の子どもは、タオルや石けんの絵を自分の生活と重ねます。お風呂が好きになるかもしれません。
『はけたよ はけたよ』
おむつからパンツに変わる時期の子どもが興味を持つ絵本です。
主人公のたつくんは、ひとりでパンツをはけません。なかなかパンツをはけないことや、最後に自分ではけたときのうれしい気持ちに、子どもは共感しながら楽しみます。
『おやまごはん』
子どもは、親が日々やっていることにも興味を持ちます。この絵本に登場するのは「料理」です。
ほうちょうさんが歌って踊って、野菜を刻んでいきます。チャーハンができあがるまでをリズミカルに描きます。子どもは、どのように料理ができあがっていくのか、ふだん見ている様子と重ね合わせて楽しみます。
絵本の読みかた・楽しみかた
読むときのポイントは、子どもが絵やストーリーを受け止めていくペースに合わせること。絵に興味を示して声を出したり、指をさしたりしたら、先を急がず一緒に見てあげましょう。
読み聞かせた後、子どもに感想を聞いてもいいの?
子どもの理解を確認したくなる気持ちはよくわかります。ですが、感想を聞かれた子どもは、語彙力が少ない中で「どう答えよう」と一生懸命考えなければいけません。それでは、勉強のようになって、せっかく楽しんだ気持ちがしぼんでしまうこともあります。子どもが、自分から「おもしろい」「かわいそう」など、気持ちをことばにしたときに、反応してあげればいいのではないかと思います。 また、無理に文字を覚えさせようとしたり、知識を教え込もうとしたりすると、絵本は楽しくないものになってしまいます。楽しんでいる中で、ことばが育つのを待ってください。 (代田知子さん)
乳幼児期は、心とことばが育つ時期です。絵本を楽しむ時間を親子で作ってみてください。
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