子どもの不思議な行動(2)ヘンな行動
大人にはなかなか理解できない子どものちょっと不思議な行動。その行動にはどんな意味があるのでしょうか。子どもの愛着関係や社会性の発達に関する研究をしている遠藤利彦さんに教えてもらいます。
今回は、子どもたちの「ヘンな行動」について。
講師: 遠藤利彦(東京大学大学院 教授/発達心理学) 科学者が仮説を立てて実験するように、子どもは遊びの中でいろいろなことを試しながら世界のことを学んでいきます。
モノを隠す
冷蔵庫の下のすきまにモノを隠しているところです。おもちゃはもちろん、お金やカードなど、いろいろなモノを隠すので困っています。
(1歳4か月 男の子)
手指の操作がどのくらいできるか実験している
このお子さんぐらいの年齢になると、上手に手指を動かせるようになってきます。冷蔵庫の下に入れたり出したりして、自分がどれぐらい手指を操作できるのか実験しているような意味合いもあるのでしょう。
狭いところが好き
おばあちゃんの家に行くと、必ず収納棚の狭いスペースへ行きます。なぜかこの場所がお気に入りです。どうしてこんな狭いところが好きなの?
(1歳2か月 女の子)
「自分だけの場所」で居心地がいい
人間は、なぜか自分の体に見合った場所を自然に探してしまうといわれています。小さな体でないと入れないスペースは、大人が座れない特別な場所です。自分だけの場所で居心地がいいのかもしれません。
何度もモノを落とす
おもちゃの缶を柵の外に何度も落とします。自分では落とした缶を取れないので、親が拾ってあげると、また柵の外に落とします。なんでこんなことをするのでしょうか。
(9か月 男の子)
「落とすと音がする」を確かめている
「落とすと音がする」という実験をしているのではないでしょうか。子どもはもう一度音を聞きたいと思っても自分で取ることができないので、誰かに拾ってもらって、実験を繰り返すわけです。このような場合、誰かに拾ってもらえるという見通しがあると、安心して繰り返し遊ぶことができます。
毎日が実験の連続 自分の体を自由に動かせるようになってきた子どもにとっては、毎日が実験の連続です。仮説を立て、やってみて、思い通りにできるとすごくうれしい。それが、子どもにとっての喜びであり、充実感なのです。大人はじっくり見守ってあげましょう。 (遠藤利彦さん)
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- (火)子どもの不思議な行動(2)ヘンな行動
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- (木)子どもの不思議な行動(4)子どもの困った行動
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