言葉が遅い、かんしゃくがひどい、集団行動が苦手など、子どもの様子が気になり、「もしかしたら発達障害?」と不安になったことはありませんか?
最近、「発達障害」という言葉が広く知られるようになり、子どもの発達に敏感になってしまう方も多いようです。
そんなとき、親はどうすればいいのでしょうか。一緒に考えていきましょう。
専門家:
久保山茂樹(国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員/臨床発達心理士)
中井昭夫(武庫川女子大学 子ども発達科学研究センター教授/小児科医・公認心理師・臨床発達心理士)
同い年の子に比べてできないことが多く、子どもの発達が気になります。
大きな音が苦手で、人一倍怖がるので心配しています。
周りの子に比べて体の動かし方がぎこちない。発達が遅れているの?
子どもの発達は一人一人違う。「小さな進歩」に目を向けて。
中井昭夫さん
どうしても他の子どもと比べてしまいがちですが、子どもの発達は、子ども一人一人が全部違います。その子が昨日できなかったことが今日できていたり、ちょっと上手になっていたり、そういう小さな進歩を楽しんでいただきたいと思います。
それから、インターネットなどにあるチェックリストでは、できないところをチェックするものになっていると思います。発達障害の特性というのは、その子のごく一部です。その子には、ほかにも、優しい性格とか、よく気が付くとか、いいところがたくさんあるのです。そういう「いいところ探し」をたくさんして、その子の育ちを支えていくことが大事だと思います。
いろいろな人の手を借りて。「子育て」はやり直しもできる。
久保田茂樹さん
親が頑張り過ぎてしまうと、どうしても子どもとの関係がつらくなると思います。子どもに何があったとしても、親だけの責任だと感じる必要はないと僕は思っています。子育ては、いろいろな人の力を借りてするものだし、うまく行かないことがあるのは当然です。うまく行かないときはそこからやり直せばいいんです。失敗したとか、だめな親だなんて思う必要は全くありません。いろいろな人の力を、どうかこれからも借りてほしいと思います。