すぐに友達とケンカしてしまう、周りの大人に恥ずかしがってあいさつできない…
子どものそんな様子に不安になってしまうことはありませんか?
無理なく子どもの社会性を育てるための親の関わり方について、育児情報番組「まいにちスクスク」でご紹介した内容をまとめてご紹介します。
専門家: 井桁 容子(保育士)
子どもがおもちゃの取り合いで友だちとケンカ…どうすればいい?
子どもが相手の気持ちに気づけるような言葉がけをする
危険なことをしている場合はすぐにとめなくてはなりませんが、そうでなければケンカをすぐに止めるよりも、相手の気持ちに気づけるような言葉がけをしてください。
ケンカは、相手の気持ちと自分の気持ちをぶつけ合う経験となるため、子どもにとっては相手の気持ちに気づくことができる貴重なチャンスです。次にケンカをしたときに(すぐには結果が出ないかもしれませんが)、相手の気持ちも理解しながら対処できるようになっていきます。ケンカを止めると、その場の解決にはなりますが、次にケンカをしたときに生きるような経験にはなりません。
なるべく否定的な言葉がけはしない
子どもを注意する(叱る)ときは、「そういうことを言わないの!」というような、行動を指示する言葉や否定的な言葉はなるべく使わないようにしてください。「相手が悲しい思いをする言葉は使わない方がうれしいね」などの肯定的な言い方で伝えてあげましょう。
子どもが友達のママに会ってもあいさつができない。引っ込み思案だから?
無理にあいさつさせない
無理にあいさつをさせてしまうと、「あいさつ」が嫌な経験となってしまうため、あいさつをしない子になってしまう可能性があります。
あいさつができない子の中には、言葉ではなく、目で「おはよう」と言っている場合があります。
言葉という形にとらわれず、子どもが知っている人の顔を見て心が動いているようなら、問題ないと考えるようにしましょう。
親が気持ちよくあいさつしている様子を見せる
親が気持ちよくあいさつしていると、「あいさつは気持ちいいものなんだな」「あいさつをすると相手の人も笑顔になるな」ということが子どもに伝わります。
引っ込み思案は、悪く言えば臆病、良く言えば慎重な性格と言えます。その子の生まれ持った性質なので、否定的に捉えすぎないようにしてください。「引っ込み思案かな?」と親が感じた場合には、子どもが気づいたことや思いついたことを大人が「面白いね」「よく気づいたね」とほめたり、認めたりするようにしてみましょう。子どもは自分をのびのびと表現しやすくなりますよ。
子どもが「イヤ!」「貸したくない!」とお友だちにものを貸そうとしません。うちの子、自己中心的すぎ?
貸してあげない理由を聞く
子どもは自分が感じたことをストレートに表現するものです。思ったままに「貸したくない」と言ってしまうのは、仕方がありません。
親が理由も聞かずに、「そういうこと言っちゃダメでしょ!」と言ってしまうと、子どもは「ママは自分よりも、他の子を大事にしている」と感じてしまいます。
なぜお友達に貸したくないのか、まずは理由を聞いてあげてください。
相手の子にはわが子の気持ちを代弁する
わが子に「貸してあげない」と言われた相手の子にフォローしてあげなくてはいけないときもあります。そんなときには、そのときのわが子の気持ちを代わりに言葉にして伝えてあげましょう。
そうすることで、相手の子にとっては、人の気持ちを学ぶ機会になり、わが子にとっては「ママがぼくの気持ちをそんな風に表現してくれたんだ」「ぼくはそういう気持ちなんだな」というように、自分の気持ちを意味づけできる機会となります。こうした経験を積み重ねて、子どもたちは人への気遣いを覚えていくのです。
お友だちが持っているものを欲しがり、「買って!」と駄々をこねるわが子。どうすればいい?
買わないと決めたら、絶対に買わない
買わないと決めていたのに、子どもに大泣きされて仕方なく買ってしまう。このような経験を繰り返すと、子どもの中に「大泣きしたら何でも買ってもらえる」という基準ができてしまいます。「子どもに泣かれたから買う」のは、「早く静かにして欲しい」「周りの人に迷惑をかけるのは嫌だ」という親自身のために買っているのであって、子どものために買っているのではありません。
本当に子どものことを大事に思っているならば、「子どもにとって重要だ」「我が家にとって意味のあることだ」と思うことは、なるべく貫いてください。
▼こちらの記事もご参考に
気になる!子どもの友だち関係
PR