子どもが頭を打った!誤飲した!やけどした!そんなとき、親はどうしたらいいのでしょうか。救急車を呼ぶべきなのかどうか、とっさの判断も難しいですよね。
子どもの命を守るために知っておきたいことを、子育て情報番組「すくすく子育て」でご紹介した内容からまとめました。
専門家: 植松悟子(国立成育医療研究センター 救急診療科 診療部長/小児科医) 日沼千尋(東京女子医科大学 看護学部長/小児看護学)
子どもが転倒などで頭を打ったとき
・意識がない
・動かない
・目をあけない
・けがをして出血が止まらない
・視線が合わない
・親の声に反応しない
などの症状がみられる場合は、すぐに救急車を呼びましょう。また、いつもの子どもの様子を知っている親から見て、明らかに子どもの状態がおかしいと感じたときは、救急車を呼んでもよいと思います。
判断に迷うときは、タクシーや自家用車で病院に行きましょう。結果的に「あのとき行けばよかった」と思い返すよりは、心配なときにすぐに診てもらうほうがよいと思います。
(植松さん)
階段などから転落したとき
子どもが転落したとき、いちばんに頭が大丈夫なのか気になると思います。ですが、他の部分をけがしていることもあるので、頭を含め、全身をチェックすることが大切です。出血や腫れなどがないか、手、足、胸、お腹など、全身をよく観察します。
頭をチェックするときは、しっかりと頭全体を手で触って確認します。両手を使って頭の左右を同時にチェックすると、左右の違いがわかり、へこみや腫れにも気付きやすくなります。へこみがある場合は、骨折の可能性もあります。
転落した後、最初の数時間は特に注意して様子をみるようにしてください。その後1~2日程度は、何らかの症状がないか、いつもと様子が違うかなどを観察するのがよいでしょう。いつもに比べて元気や食欲がない、ときにはおう吐することもありますので、そのような場合は病院で受診しましょう。
(植松さん)
誤飲したとき
喉にものを詰まらせたときは、すぐに異物を除去することが大事です。親が見ていないときに口に入れてしまった場合もあるので、喉を「ヒューヒュー」させている、呼吸ができていないといったことに気をつけてください。
赤ちゃんと1歳以上の子どもでは、除去する方法が違うので、それぞれ知っておきましょう。
※以下の除去法は絶対に子どもで練習しないでください
<1歳未満の赤ちゃんの場合:背部叩打法(はいぶこうだほう)>
手で赤ちゃんのあごを支え、膝の上にあおむけに乗せて、頭を下に向けます。その姿勢で、背中の肩甲骨のあたりを平手で強くたたきます。たたいた衝撃による勢いで異物を出すことをイメージしてください。
<1歳以上の子どもの場合:ハイムリック法>
子どもの両脇から手を回し、足が床に届くぐらいで抱え上げます。片方の手はこぶしを握って、みぞおちのあたりに当ててください。そのまま、横隔膜を上げてあげるようなイメージで、こぶしをぐっと突き上げます。
(日沼さん)
やけどしたとき
やけどへの対処は、第一に冷やすことが大切です。水道水の温度で冷やせば大丈夫です。
手足のやけどは、おけなどに水をはって、患部をつけて冷やしてあげます。背中など水につけるのが難しい場合は、シャワーを使って冷やします。シャワーの水圧が強すぎると、痛みや患部へのダメージになることがあるので注意が必要です。服の上からシャワーをかけてあげてもよいと思います。とにかく冷やしてあげることが大事です。
洋服を脱ぐときに、一緒に皮膚がはがれてしまうこともあります。無理やりはがさず、はげるものはそっとはいであげる程度でよいと思います。
(植松さん)
病院を受診するかどうか迷ったときの相談先やサービス
<電話>
子ども医療電話相談「#8000」では、夜間や休日に受診するべきか判断に迷ったときに電話で相談できます。「#8000」をプッシュして電話をかけます。受付時間は都道府県によって異なるので確認しておきましょう。
▼厚生労働省 子ども医療電話相談事業(#8000)について
<インターネット>
日本小児科学会の「こどもの救急オンライン」では、強く頭を打った、意識がおかしいなどのケース別に、判断の目安となる情報を提供しています。
▼日本小児科学会 こどもの救急
<スマートフォンアプリ>
全国版救急受診アプリ「Q助」では、症状を選択することで、緊急度に応じた必要な対応が表示されます。
▼総務省消防庁 全国版救急受診アプリ Q助
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赤ちゃんの心肺蘇生法
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