泣いている理由がよくわからない! どうして泣いているの?
ほかの理由を探してオムツを替えたり、部屋の温度を調節してみたり、絵本を見せてみたり、いろいろなことを試してみますが、何をやっても泣きやまないときも。顔を真っ赤にして泣いている時もあるので、おなかが痛いのかとか、ちょっと体調が悪いのかとか、いろいろ心配になります。
何をしても泣きやまないときは、私もあきらめモードになって、泣いているわが子をとなりで見ながら、途方に暮れてしまいます。どうして泣いているの? どうすればいいの?
(4か月の男の子のママ)
はっきりとした理由はわからないもの。いつもと様子が違う場合は注意を。
回答:榊原洋一さん 赤ちゃんが泣く理由はあると思いますが、泣き声だけだと判断は難しいですね。やはりそれぞれ個性もあり、はっきりした理由はよくわからない、それが現実なんだと思います。しかし、泣いた後、「ああ、これが理由だったのだな」と分かることがあります。それが大事です。 注意したいのは、痛みがありそうなときや苦しそうなとき。そんな時は、ほかに症状がないか確認してみましょう。例えば、せきが出ている、熱がある、あるいは下痢をしているなど、そうした症状もある場合には、きっと病気のせいだということが分かります。 小児科医として気をつけていただきたいのは、「いつもと声の大きさが違う」「甲高い声で泣く時間が長い」ときです。いつもと違う泣きには特に気をつけて、ほかに症状がないかを確認していただくといいですね。
月齢による泣きの変化
赤ちゃんの泣きは、月齢が進むにつれて理由が変化していきます。
1歳までにどんな変化があるのか見ていきましょう。
<3か月ごろまで>
泣いている理由は不快を訴えている場合がほとんど。
暑すぎたり、おなかが苦しかったり。空腹が理由であることがいちばん多いようです。
<3か月ごろから>
空腹のほか、眠気を理由に泣くようになります。
さらに、寂しいなど感情を表現する泣きも少しずつ見られるようになります。
<3か月〜9か月>
いつもお世話をしてくれる大好きな人の顔をはっきりと区別できるようになるため、人見知りや後追い泣きが始まります。
そして多くの親を困らせる夜泣きが始まるのもこのころです。
月齢がすすむにつれ単純な理由だけではなく、感情を表現する泣きも増えてきます。
赤ちゃんにとって「泣き」は最初のコミュニケーションなのです。
パープルクライング
生後2週間ごろから始まり、2か月ごろをピークに5か月ごろまで、理解するのが難しい困った泣きがあります。その泣きはパープルクライングと呼ばれることも。赤ちゃんの泣きの特徴を示す6つの特徴、その英語の頭文字をとって、パープル(PURPLE)と名付けられました。
- (P)Peak of Crying
生後2週間ごろに現れ2か月ごろピークを迎え、そのあとは徐々に和らいでいきます。 - (U)Unexpected
泣いている理由を予想できません。 - (R)Resists soothing
さらに、なだめることもできません。 - (P)Pain-like face
たとえ痛くなくても痛そうな表情で泣きます。 - (L)Long lasting
長く続くといわれトータルで1日5時間、泣くことも。 - (E)Evening
とくに午後から夕方にかけてよく泣くといわれています。
これらの困った泣きは、関わり方に関係なく現れます。親は決して自分を責めないことです。試行錯誤を積み重ねていくことで、親子の愛着関係ができていきます。
乳幼児揺さぶられ症候群
この時期に特に気をつけたいのは、乳幼児揺さぶられ症候群。泣きやまない赤ちゃんを激しく揺さぶってしまうというケースもあり、特に注意が必要です。
こども家庭庁では赤ちゃんが泣きやまないときの対応や乳幼児揺さぶられ症候群について、ホームページで詳しく紹介しています。
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