幼児教育の現場では、「10の姿」をどう取り入れているのでしょうか。ある認定こども園の年長クラスの様子を見せていただきました。
卒園を前にしたこの時期、園の先生は「10の姿」の「社会生活との関わり」をもう少し伸ばしたいと考えて、子どもたちに「まち探検」を提案しました。
はじめに訪ねたのはお米屋さんです。
子どもたちは自分たちで考えていた質問を、お店の方に聞いていきます。ここで先生が意識していたのは、「10の姿」の「思考力の芽生え」や「言葉での伝え合い」です。
続いて、金物屋さんを訪ねます。
ここでは、子どもたちがおもしろがったものを買って帰ることにしました。子どもたちは折り畳み式のもの差しに興味を持ったようです。
園に戻ると、先生は「これは、折り畳むことができるもの差しで、長さを測るものです」と、子どもたちに使い方を教えました。
すると、子どもたちはいろいろなところの長さを測って、紙に記録していきます。子どもたちの関心が「数量」へとつながったのです。
まち探検に使った地図に興味を持って、地図記号を書きはじめる子もいます。「図形や標識」への関心につながったようです。
園の先生が「まち探検」のようなきっかけを作ることで、子ども自身がおもしろいことを見つけて、興味をさまざまに広げていきました。このような活動を繰り返すことで「10の姿」が育っていくのです。
子どもの興味・関心をよく見て、より広がるように
園の先生の役割は、とても大事になります。まず、子どもたちが何に興味・関心を持っているのか、よく見ています。そして、興味・関心が広がるように、子どもたちに提案していくのです。今回の例では「まち探検」をきっかけに、子どもたちがそれぞれでおもしろいと感じたことに興味を広げ、その中に「10の姿」のいろいろな要素を見ることができました。社会生活との関わりをはじめ、数量や図形への関心など、あらゆることにつながっています。このように子どもたちの興味・関心を広げていくことは、園の先生ならではのプロの仕事だと思います。 (大豆生田啓友さん)
10の姿を育てるために、親は子どもや園とどう関わればいいの?
子どもの可能性・選択肢を広げるために、親としてできることは?
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