きょうだいで一緒に遊べないとき、どうすればいい?
お兄ちゃんが、妹と一緒に遊ぶことを嫌がります。例えば、お兄ちゃんがおもちゃで遊んでいると、妹も近づいておもちゃを手に取るのですが、お兄ちゃんが「かえして!」と言って、おもちゃの取り合いになってしまいます。妹は泣き出すし、お兄ちゃんも黙ってしまいます。お兄ちゃんから見れば、自分が遊んでいる世界が壊されたと思っているのかもしれません。ケンカが続くと危ないこともあるので、どうしても上の子に「貸してあげなさい」と言ってしまいます。きょうだいが仲よく遊べるようになるには、どうしたらよいのでしょうか。
(3歳4か月の男の子と1歳4か月の女の子をもつパパより)
きょうだいを関わらせないのは逆効果
回答:小島康生さん 上の子が電車のおもちゃで線路をつなげていくような「自分の世界」を作っているとき、下の子が手を出して上の子が作った世界を壊してしまう。下の子は壊しているつもりがなくても、上の子が怒ってしまうのはしかたのないことだと思います。 このような場面で親がやりがちなのは、きょうだいを離して、できるだけ関わらせないことで、ケンカを未然に防ごうとすることです。しかし、海外の研究で、この対処は逆効果になることがわかっています。頻繁にきょうだいを関わらせないようにすると、その後のきょうだいの仲があまりよくないという調査結果が出ているのです。トラブルは親にとって大変なことですが、我慢強く見守ってあげてください。
まず上の子の気持ちを受け止める
回答:小島康生さん きょうだいでおもちゃの取り合いをしていると、親は下の子の目線で考えがちです。例えば、上の子に「このおもちゃを貸してあげてね」と言って、下の子の気持ちを伝えようとします。でも、上の子も嫌な思いをしているのです。親は、最初に上の子の気持ちを受け止めて、「嫌だったね」と声をかけてあげてください。気持ちを代弁してあげることで、上の子は「自分の気持ちを理解してもらえた」と感じます。その上で、下の子に「お兄ちゃんがせっかく作ったものだから、壊してしまうのはだめよ」と伝えれば、上の子が納得する部分もあると思います。そのように、上の子の気持ちも考えることを心がけることも大切です。
小さいころのきょうだいゲンカは、目が離せなくて大変です。こんなことがいつまで続くのでしょうか?
きょうだいが連帯できる場を作る
回答:小島康生さん 下の子が小さいときほど、きょうだいの力の差が際立つので、仲よく遊ぶことがなかなか難しい部分があります。下の子が3~4歳ぐらいになれば、一緒に遊べるようになってくるでしょう。 以前、「きょうだいがいる家族の行動パターン」を調査したことがあります。例えば、子ども2人の家族がレストランに行ったとき、どう席に座るかを調べました。 下の子が4歳くらいまでは、上の子がパパの隣、下の子がママの隣に座るケースがほとんどです。 でも、下の子が5歳くらいになると、子ども同士が隣に座るようになります。この座り方から、きょうだいは「私たちはチーム」といった意識や連帯感を持っているのではないかと思われます。 ふだんの生活の中でも、意識的にきょうだいをチームにしてあげることを考えてみてはいかがでしょう。例えば、家族でトランプやボードゲームをするときに、子どもチームと大人チームで分かれて対戦するなどです。すると、きょうだいが一緒に頑張ろうとしたり、上の子が下の子をフォローしてあげたりすると思います。特に上の子は、親から「下の子をみてあげてね」と声をかけられると、誇らしい気持ちにもなれると思います。 下のお子さんがもう少し大きくなったら、そのようなきょうだいが連帯できる場を作ってあげてください。
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